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【製造業DX】サプライチェーンマネジメントとは?

技術情報
2022-01-13

昨今の製造業では、たびたび発生する原材料・部品の供給難や急激な需要変動への対応が課題となっています。そのような状況下で製造業が競争力を発揮するには、サプライチェーンマネジメントへの取り組みが重要です。

そこで本コラムでは、製造業のDXとも深く関わるサプライチェーンマネジメントについて解説いたします。

サプライチェーンマネジメントとは?

サプライチェーンマネジメントとは、原材料や部品の調達から製品が顧客に届くまでの生産・流通プロセス全体を管理することです。英語の頭文字を取ったSCMという略称で呼ばれることもあります。

メーカーが作る製品が顧客に届くまでのプロセスを大きく分けると、次のような流れになっています。

  1. 原材料や部品の調達
  2. 生産
  3. 物流
  4. 販売

サプライチェーンとは
この一連の流れをサプライチェーンと呼びますが、すべてのプロセスをメーカーが担うことはほとんどありません。原材料や部品を作っているのはサプライヤーであり、メーカーはサプライヤーから必要なモノを調達して自社製品を生産します。また、完成した製品は物流事業者によって配送され、小売事業者などによって販売されています。

サプライチェーンを構成する各プロセスは密接に関わり合っているため、部分最適だけを目指すのはあまり意味がありません。たとえば、メーカーが改善を重ねて生産量を増やしても、原材料や部品がサプライヤーから届かなければ生産ができません。また、顧客が必要とする量以上に生産しても製品が売れないので、在庫を抱えることになってしまいます。そのまま製品が売れなければ、最終的には廃棄処分をしなければならず、それまでにかかったコストがムダになってしまうでしょう。

そういった事態を防ぐために重要なのが、サプライチェーンマネジメントです。サプライチェーンマネジメントでは、デジタル技術を活用して各プロセスが持つ情報を共有・連携し、サプライチェーン全体が最適化されることを目指します。

サプライチェーンマネジメントが重視される理由

サプライチェーンマネジメントは1980年代から存在する考え方であり、それ自体は決して真新しいものではありません。しかし、近年で製造業を取り巻く環境が大きく変化した結果、改めて注目を集めています。どのような変化が影響しているのかをみていきましょう。

サプライチェーンのグローバル化

現在はサプライヤー・生産拠点・販売先のすべてが世界中に点在しており、大手企業だけでなく中小企業であってもグローバルに事業を展開する時代になりました。しかし、直近でコロナ禍におけるサプライチェーンの寸断が問題になったように、グローバル化にはリスクも伴います。自然災害や感染症、地政学的リスクなど、世界中のあらゆる要因でサプライチェーンが影響を受けるので、情報管理の重要性が高まっているのです。また、グローバル化によってサプライチェーンに関する情報量が膨大かつ複雑になり、従来の管理手法では対応しきれなくなっているという背景もあります。

人手不足の深刻化

日本は少子高齢化の影響であらゆる業界・業種が人手不足に陥っている状況です。人手不足を解消するためには、サプライチェーン全体のムダを取り除いて効率化していかなければなりません。直近では物流のドライバー不足が特に課題となっており、各メーカーには調達量や生産量を最適化して、ムダな物流をなくす取り組みが求められています。

顧客ニーズの多様化

この数十年の間に、顧客ニーズはさらに多様化しました。かつての大量生産・大量消費の時代は終わり、現在は個々の顧客ニーズに対応した多品種少量生産が求められています。多品種少量生産では、市場動向を常に把握して「売れる分だけ作る」ための工夫がより一層重要になります。激しく変動する需要に合わせて生産・供給するために、従来のサプライチェーンのあり方を見直そうという動きが活発になっているのです。

サプライチェーンマネジメントのメリット

サプライチェーンマネジメント
製造業がサプライチェーンマネジメントに取り組むと、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、主なメリットとして4つのことをご紹介します。

在庫の適正化

在庫は多すぎると余計なコストがかかりますが、少なすぎても販売機会を失う恐れがあるので、常に適切な量に保つ必要があります。サプライチェーンマネジメントに取り組むことで、物流・販売のプロセスから得た需要情報に合わせた最適な生産計画を立てられるようになり、在庫の適正化を実現できます。

リードタイムの短縮

近年ではECサイトの台頭によって即日配送すら当たり前になりつつあり、顧客が製品を求めるスピードが早くなっています。サプライチェーンマネジメントに取り組んで各プロセス間の連携が素早く取れるようになれば、リードタイムを短縮して顧客の求めるタイミングで製品を供給できるようになります。

供給の安定化

サプライチェーンマネジメントにおける重要な取り組みの一つに、リスク分散があります。たとえば、何らかの原因でサプライチェーンが寸断されるリスクに備えて、複数のサプライヤーから原材料や部品を調達できるようにしておくといった内容です。こういった取り組みによって有事の際にでも製品を安定供給できるようになり、顧客の満足度が向上します。

利益率の向上

サプライチェーンマネジメントによってサプライチェーン全体のムダがなくなれば、コスト削減ができます。また、顧客の求める製品を顧客の求めるタイミングで供給できるため、売上の最大化にもつながるでしょう。サプライチェーンマネジメントは単なる業務管理の手法ではなく、企業の利益率の向上にも貢献する重要な取り組みだといえます。

サプライチェーンマネジメントに取り組む際のポイント

実際にサプライチェーンマネジメントに取り組む際には、どのようなことを行えばよいのでしょうか。ここでは、4つのポイントをご紹介します。
サプライチェーンマネジメントに取り組む際のポイント

サプライチェーン全体を可視化する

まずはサプライチェーン全体の可視化を行って、管理すべき対象を明確にします。サプライヤーの生産能力や自社の生産能力を調査したり、物流事業者の配送リードタイムを把握することで、自社のサプライチェーンがどのように成り立っているかが分かります。その上で、課題を見つけて改善したり、適切な管理方法を検討しましょう。

他の事業者との連携を図る

サプライチェーンは多くの事業者が関わって構築されているので、全体最適を目指すのであれば自社だけの取り組みでは不十分です。他の事業者との連携を図り、お互いにメリットのある方法で情報共有ができるようにしましょう。

デジタル技術を活用した管理体制を構築する

サプライチェーンに関する膨大な情報を人の手で収集・管理するのは極めて困難です。そのため、IoTやクラウドといったデジタル技術を活用して各プロセス間で得られた情報を蓄積したり、共有したりする仕組みを整えなければなりません。

近年では製造業のDXが活発に進められており、サプライチェーンマネジメントで活用できるソフトウェアやサービスも多くあります。それらを積極的に活用して管理体制を構築するとよいでしょう。

リスク分散を考慮する

変化に強いサプライチェーンを構築するためには、平時の効率性だけを重視するのではなく、有事の際にも備えた取り組みを行っておきましょう。具体的には、サプライヤーのBCP対策を確認する、サプライヤーのさらに先の調達先も把握しておく、複数のサプライヤーから調達できるようにしておく、といった取り組みが挙げられます。

サプライチェーンマネジメントに取り組む企業様へ

今回は、近年で重要性が高まっているサプライチェーンマネジメントについてご紹介しました。サプライチェーンマネジメントは製造業の競争力強化にも直結するため、多くの企業が製造業DXの一環として取り組みを進めています。本コラムを参考に、自社のサプライチェーンの見直しを始めてみていただければ幸いです。

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