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【DX成功ノウハウ】アジャイル開発を成功させるためのポイント

入門
2021-02-10

大規模webシステム(ECサイト)の開発の成功ノウハウ

デジタルトランスフォーメーション(DX)実現のために採用する企業が増えている「アジャイル開発」。今回はこのアジャイル開発を成功させるための具体的なポイントを、実際に弊社が開発を担当したプロジェクトの流れに沿って解説させていただきます。

>ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いはこちらをご覧ください

【アジャイルによるシステム開発案件の概要】
◎大規模webシステム(ECサイト)の開発
・3チームに分かれて開発するため、最終的にシステムを結合する必要があった
・業界初の試みとなるようなチャレンジングな開発内容が多かった
・リリース日が確定していたためスケジュールを動かせなかった

スクラム開発立ち上げまでの準備期間に行うべきことは

Step1:スクラム開発立ち上げまでの準備期間
1-1:チームメンバーの選定
開発は3チームに分けて行いましたが、意思疎通を円滑に行うため、チームごとにリーダーを選出しました。またこのチームリーダーとは別に、さらに全体を管理・進行していく「アジャイル開発のスクラムマスター資格」を保有しているメンバーにジョインしてもらうことにしました。

ご参考:スクラムマスター資格にはいくつかの種類がありますが、認定スクラムマスター(Certified ScrumMaster®:CSM®)が最もメジャーと言われています。

ポイント:スクラム開発の経験値が高いスクラムマスターに全体を統括してもらうことで、開発工程をスムーズに進めるられる態勢を整えた

 

1-2:スプリント期間の決定
アジャイル開発においては「スプリント」という、1~2週間程度の短い作業期間に分けて開発作業を行います。本案件の立ち上げ期においてはこのスプリントを1週間に設定し、スプリントごとのToDoを明確にしながらPDCAを回していくことにしました。1週間という短いスパンで各チームからToDoとタスク進捗状況を発表することで、スケジュールを当初の予定通りに進めることができます。

特にこのシステム開発はリリース日が開発前に確定しており、納期を遅らせるわけにはいかないため、細心の注意を払いながら開発を進めていきました。

ポイント:スプリントを1週間で設定。週初にToDo確認と優先順位付けを決定してから開発に取り組むため、開発メンバーはタスクの順番を迷わずに済んだ

スクラム開発が立ち上がり軌道に乗るまでに行うべきことは?

Step2:スクラム開発立ち上がりから開発が軌道に乗るまで
2-1: 開発業務進捗・課題の確認
業務進捗共有ツールを使い、各チームの開発進捗や課題を他のチームからも確認できるようにしました。また、課題は担当者名と想定工数をあえて手書きで付箋に書いて壁に貼りだします。

付箋の種類は「TODO」「DOING」「DONE」「PENDING」の4種類。毎日朝会を行い、付箋を移動させながらその日にとりかかる項目をチームメンバーと確認していくことで、どのチームにどれだけのタスクがあるのかが一目で分かるようになりました。
また、課題ごとの工数を事前に見積もっておくことで、予定を立てやすくなりました。

壁全体にホワイトボードシートを貼り、付箋と共にマーカーで書きこみができるように工夫をします。枠組みは油性マジックで、日々の書き込みはホワイトボードマーカーで行うことで、見やすく書きやすく消しやすい表を作成しました。貼ってある付箋と書き込まれた内容は、毎日写真を撮って記録しておくと安心です。

ただ、実際はどうしてもPENDING案件が増えていってしまいます。スクラムマスターもしくはチームリーダーは、なぜその課題がPENDINGになっているのかの原因を突き止め、DONEになるためには何が必要で何が足りていないかなどを確認し、導いていく能力が求められます。

ポイント:課題のステータスを4種類に設定。電子ツールだけでなくあえて付箋に手書きで工数見積もりとその結果を書き込み、貼りだすことで全体のタスク量を視覚的に捉えられるようにした

 

2-2: 開発工数見積もりのレベルアップ
上記の課題把握をしながらスクラム開発を進めていく際に一番問題となったのが工数見積もりです。

開発者はどうしても安全を見て開発工数を多く見積もりがちですが、課題ごとに事前に見積もった工数だけでなく、実際にかかった工数も書き込んで発表させることで、計画差異を確認し、現実的な工数見積もりができるようにトレーニングをします。
具体的には予実対比をエクセルで管理し、見積もり工数と実績の差異が大きい人については、「工数見積もりの個別レビューを行う」などを行いました。

工数見積もりに関してもう1つ重要なポイントがあります。それは、フルタイムの人の業務可能工数を週40時間と設定してはいけない、という点です。朝会やその他の打ち合わせなども発生するため、週40時間すべてを開発に回すことは決してできません。1日6時間程度に見積もるのが妥当でしょう。

フルタイムの方は週30時間の工数バジェット、週4日のパートの方は24時間のバジェットとする、などをしっかりと決めておくことが重要です。また、スクラムマスターはそれでもなお溢れてしまうタスクを確認し、やるやらない、やるならば優先順位をつけなおしてあげるなどのフォローを行います。

ポイント:工数見積もりは週40時間のバジェットを組まず、30時間とする。工数の予実対比を行い、開発者ごとに工数見積もりレベルを上げていくことで、全体の開発スケジュールの納期遅れを発生させない。工数バッファーはプロジェクトで取り、個人では取らせない

スクラム運用が軌道に乗り大規模開発になってから行うべきことは

Step3:スクラム開発の運用が軌道に乗り大規模開発になってから
3-1: スプリント期間の決定
大規模開発に入ってからのスプリントは2週間で設定しました。この頃から発注元のご担当者にも開発現場にほぼ常駐していただき、そのご担当者と開発者とで問題点の洗い出しなどを行う朝会を実施します。

発注元ご担当者と朝会を行うことにより、ご担当者のアジャイルに関する理解が飛躍的に進み、タスクの差し込みが少なくなりました。差し込みタスクが発生した際も優先順位を話し合いの上で決定できるため、認識の齟齬がなくなりました。

ポイント:発注元ご担当者にも常駐してもらい、日々の朝会で問題点の洗い出しと共有を行うことで、差し込みのタスクを減らすことができた

 

3-2: チームビルディング
大規模開発となりスプリントを2週間で設定した後は、タスクや行動項目ごとに「KEEP」「PROBLEM」「TRY」の3種類に分け、隔週で振り返りの会を実施し、各自で発表します。

「KEEP」は〇〇をやり続けたい、というもので、例えば「出社時間を1時間早めたら効率が上がったので続けたい」「朝会だけでなく夜会も実施することでタスクの抜け漏れがなくなった」などのものです。

「PROBLEM」は〇〇が問題なので解決したい、というもので、例えば「空調が強すぎて開発に集中できない」「他チームの画面遷移図を共有してもらえないと開発が滞る」「よくあるトラブルがまとまっていないので、トラブル対応に時間がかかる」などのものです。

「TRY」は〇〇をやってみたらどうか、というもので、例えば「ライブラリのバージョンは常に最新にしておかないか」「ファイルの名前の付け方を統一しないか」「メンバー全員で共通の言語を使うために用語集を作らないか」などのものです。

これらの3つの視点でタスクや行動項目を確認・振り返りすることで、より強いチームビルディングを実現しました。

ポイント:タスクや行動項目ごとに「KEEP」「PROBLEM」「TRY」の3種類に分けて検討・発表しあうことで、強いチームビルディングを行う

 

3-3: リリース前のテスト
開発が佳境にさしかかり、リリース前のテストを行う際は、テストベンダーに発注をしてしっかりとテストを行います。機能の1つ1つは自分たちでも確認ができますが、統合テストはやはり外部の力を借りながら行うほうが良いと言えるでしょう。

ただ、テストベンダーにも得手不得手などがありますので、選定する際には複数の企業と話をして、見積もりを取ることをおすすめします。
多くの場合、テストベンダー側で自動テストツールを作成してくれ、チェックを重ねていくこととなります。

ポイント:リリース前のテストはテストベンダーに発注をして行う。テストベンダー選定時には複数の企業に相談し、見積もりを取る

CCTはお客様の様々なニーズに応じたシステム開発をいたします

いかがでしょうか?今回は弊社が実際に大規模webシステム(ECサイト)の開発を担当させていただいた際のアジャイル開発現場で培ったノウハウを少しご紹介しました。

CCT(コアコンセプト・テクノロジー)のシステム開発は、従来型のウォーターフォール開発だけでなく、お客様と一緒に試行錯誤しながら小規模・短期間で開発を繰り返すアジャイル開発も得意としています。
https://www.cct-inc.co.jp/business/system-development/

【参照】デジタルトランスフォーメーション(DX)技術と開発方法
https://www.cct-inc.co.jp/media/dx/news/primer/dx_06/

御社もデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向け、システムやソフトウェアの開発をアジャイル、スクラム開発で行ってみませんか?

少しでも興味をお持ちいただいた方は、お気軽にご相談ください。
業種ごとのアジャイル開発事例をもとに、さまざまな企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みをご紹介させていただきます。

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