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特殊なものづくりへの知識と経験が「PLM」を扇の要にする─ パーティション大手コマニーがCCTと挑む、ものづくり改革の全貌

特殊なものづくりへの知識と経験が「PLM」を扇の要にする─  パーティション大手コマニーがCCTと挑む、ものづくり改革の全貌
左から
コマニー株式会社 設計本部本部長 諸田直行 様
コマニー株式会社 経営推進本部 PJ-CHANGE PgMO 戸室勝太 様
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 製造DX事業本部ソリューション1部 部長 今井啓介
※肩書は取材当時のものです

コマニー株式会社

創業 1961年
業界 建具製造・工事
事業内容 パーティションやドア関係の開発、設計、製造、販売および施工。オフィス、工場をはじめ、病院、福祉施設、学校、空港や駅など、さまざまな場における「間づくり」事業を展開している。
URL https://www.comany.co.jp/

石川県小松市に本社を置き、パーティション等のメーカーとして「間づくり」という価値を提供している、コマニー株式会社。

同社では、中期経営計画の達成に向けたプロジェクトPJ-CHANGEを立ち上げ、PLMの導入や周辺システムの刷新、業務プロセスの改善など、大胆な改革に取り組んでいます。

「ものづくりのプロセス改革」「経営基盤の見直し」という大規模なプロジェクトを立ち上げた背景には、どのような課題があったのか。そして、設計領域を中心としたPLM導入・活用支援の伴走者にCCTを選んだ決め手は何だったのか。

コマニー株式会社 設計本部本部長の諸田直行氏と、経営推進本部 PJ-CHANGE PgMOの戸室勝太氏に、お話を伺いました。

  • 課題・要望
    • 業務改善が部門単位の個別最適に留まり、全社最適の観点で業務を見直せていなかった
    • 情報が一元管理されておらず、各システム間の情報転記ミスを探す業務などが負担となり、設計本来の業務に時間を割けない状態だった。
  • 解決策・ソリューション
    • 「PJ-CHANGE」を立ち上げてさまざまなシステムを刷新。全社横断で経営基盤そのものを再構築するとともに、ものづくりの業務プロセスを改革する。
  • 効果
    • CRMとPLMが連携されたことで、設計工程の前半段階における転記ミスの確認作業が大きく削減され、検索性向上により業務負荷が軽減された。
    • 定量的な効果の検証はこれからとなるが、社内に改革に取り組む意識が根付き、さまざまな改善アイデアが出始めている。

お客様の声

―最初に「PJ-CHANGE」の概要や目的について教えてください。

戸室:PJ-CHANGEは、ものづくりだけではなく、販売管理、工務管理、購買管理、設計管理、生産管理、物流管理、施工管理、財務管理、会計など、当社の事業を支える経営基盤そのものを再構築するプロジェクトです。

プロジェクトは、大きく二つのステップに分けて進めています。ステップ1では、製品開発に関するデータの流れを整理したうえで、Aras InnovatorというPLM(※1)を導入し、業務効率化を実現することを目指しました。現在はこのステップ1が完了した段階です。

※1 Product Lifecycle Management:企画、開発、製造、販売、アフターサービスなど製品のライフサイクルに関する情報を総合的に管理するシステム。

続くステップ2では、既存システムと連携しながらBOM(※2)を整備し、現在2Dで行っている設計を3Dへ移行します。さらに、設計から製造までのデータを一気通貫でつなげる仕組みを構築し、ものづくり全体の改革につなげていきたいと考えています。

※2 Bill of Materials:製造に必要な部品や材料のリスト。

―プロジェクト立ち上げの背景には、どのような課題があったのでしょうか。

戸室:まず会社全体としては、当社の成長を支えてきたアメーバ経営(※3)を、さらに発展させる必要がありました。

※3 会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に細分化し、各部門が独立採算制をとる経営管理手法。

アメーバ経営によるメリットもありましたが、部門それぞれで業務改善を進めたため、個別最適になりがちでした。部門横断の全体最適を考えた改善が十分に行われず、さまざまなムダが発生していたんです。

ものづくりに関しては、長年にわたって個別最適化されてきた業務プロセスが社内に点在し、情報が分断されていたため、データ活用や生産性向上の妨げになっていました。その課題の解決に向けて、「ものづくりを根本から見直す」という考え方のもと、基幹システムや生産システムなどレガシー化したシステムの刷新、メーカーの肝となるBOMの見直しなど、大規模な改革を進めることになりました。

―例えば現場では、具体的にどのような問題が起きていたのでしょうか。

諸田:私が感じていたのは、「設計として本来すべき仕事ができていない」という課題です。

コマニーの設計業務では、お客様に提出して承認を得るための「施工図設計」と、その施工図の内容をもとに製造現場に仕様や資材などを指示する「製作設計」という、主に二つの設計をしています。

しかし、それぞれの設計の過程で、情報が一元管理できていないために、さまざまな手間がかかっていました。例えば営業担当者がお客様の要望を手書きで書いたものを解読したり、外部委託先の作図担当者に内容が伝わるよう補足を書き加えたり、内容をシステムに入力する際の転記ミスを探したり……といった具合です。

設計は、お客様の要望を具現化することが本来の仕事です。しかし実態としては、設計以外の業務に時間を割かなければならない状況が続き、大きな負担となっていました。設計としても、業務プロセスの改革は、必須の命題だったと思います。

―今回のPLM導入にあたって、CCTに依頼したきっかけを教えてください。

戸室:このプロジェクトを支援いただいているコンサルタントの方に、それぞれのソリューションに対応可能なベンダーさんを調べてもらい、それを通じてCCTさんの存在を知ったことが、最初のきっかけです。

―最終的な決め手となったのはどのような点ですか。

戸室:もちろんCCTさんの提案内容が良かったというのも選定の理由ですが、決め手となったのは、部長の今井さんの、豊富な経験と知識です。

当社は、品番のある量産品を製造するのではなく、個別受注をしたものを毎回設計して製造につなげています。製品としては同じものでも、使いたい部屋の形状や用途など、お客様ごとに仕様が異なります。この、ある種特殊なものづくりをBOMにどう表現するのか、プロジェクトを進める上で非常に悩んでいました。

当社は、品番のある量産品を製造するのではなく、個別受注をしたものを毎回設計して製造につなげています。製品としては同じものでも、使いたい部屋の形状や用途など、お客様ごとに仕様が異なります。この、ある種特殊なものづくりをBOMにどう表現するのか、プロジェクトを進める上で非常に悩んでいました。

―プロジェクトを進めていく中で、CCTに依頼して良かったと感じた点はありましたか。

諸田:小さなことでも開発に必要な情報を見逃さず、現場の人間の希望を丁寧にくみ取ってくれた点です。

例えば、ステップ1の要件定義を検討している際に、あるボタンをつけるという提案がCCTさんからありました。周りの出席者は、最初「なんでそんなものが必要なんだろう」と不思議に思いましたが、聞いてみると、そのボタンがあるとないとで、ある現場の担当者の作業時間が1日30分くらい違ってくると。ボタンをつけてほしいという希望を知り、その担当者の業務を詳しく聞き取った上で、1日あたりどの程度の工数削減につながるかまで試算してくれたそうです。

通り一遍のヒアリングではなく、本人も気が付いていないような細かな情報を引き出し、そして現場を理解した上で丁寧に要望をくみ取ってくれる。それを知り、素晴らしいなと率直に感じました。

このように、CCTさんにお願いしている領域は特に大きな問題なくスムーズに進んでいるのですが、振り返ってみると、課題が出始めそうになると、最初の面談でお話した今井さんが、打ち合わせの場に必ず出席をしてくれていました。「今日は今井さんがいるから大丈夫だな」と感じるほど、安心感がありました。

また、メンバーの方も、資料をいつも完璧に用意してくれたので、当社のプロジェクト担当者は、何も心配せずに打ち合わせに出席することができました。議論に集中できる環境を整えてくれたことも、ありがたかったですね。

―現在はまだステップ1を終えた段階ですが、現時点で感じている効果はありますか。

戸室:ステップ1の稼働開始から数カ月が経過し、具体的な効果が数字で出てくるのはもう少し先だと思います。初期稼働が終わり、ようやく慣れ始めたところで、稼働後に出てきた課題を一つひとつ潰している状態です。

ただ、従業員に、改革に対する意識の変化が芽生えてきたと感じています。立ち上げたシステムの運用を、設計部門などの各部門に引き渡す中で、「自分の業務は今のやり方でいいのか」「もっと良くできないか」という視点が備わってきました。具体的なアイデアも出始めていますし、これからさらに膨らんでいくのではないかと思います。変化を前向きに受け止めるマインドが醸成されてきたというのは、うれしい効果の一つですね。

諸田:設計領域も全体の刷新はこれからになりますが、少なくとも現段階でCRM(※4)とPLMの連携が実現しました。例えば、営業担当者はお客様の要望を作図に反映するために依頼書を作るのですが、この連携によって、転記ミスを探す時間は大きく削減できています。

※4 Customer Relationship Management:顧客情報管理システム。

新システムへ移行した後も、大きな支障なく業務を進めることができており、さらにはこれまでのシステム以上に検索性が良くなってスピードが上がりました。担当者からも「非常に助かる」という声が出ていて、ステップ2に向けて良い状況になっていると感じています。

―今後のプロジェクトの計画や、コマニー様として目指すものづくりの姿について教えてください。

諸田:私は、情報をしっかりとつないだものづくりを実現したいと考えています。設計に関しては3D CADを活用しながら、それを踏まえたBOMやPLMをどう実現していくかが重要になります。そこが実現できれば、お客様の要望を具現化するという、設計本来の仕事ができるようになるはずです。

戸室:プロジェクトとしては、まずは、社内に点在している古い仕組みや、レガシー化しているシステムを一気呵成に変えていき、抜本的な業務プロセス改革を形にしていきたいと考えています。

それによって生産性と品質を飛躍的に向上させることができれば、諸田さんが言うように、各部門の従業員が本来の業務に集中し、価値を生み出すことに時間を使えるようになる。自分たちが本来やるべきこと、やりたいと思っていることに注力できるんです。一人ひとりが働くことに幸せを感じられる、そんなコマニーをプロジェクトによって作っていきたいと思っています。

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動画ロングバージョン(Koto Online)

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「個別最適」から脱却へ。パーティション大手コマニーが挑む、ものづくり根本改革の全貌

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