Case Studies

事例紹介

DX支援(Orizuru) 製造業

スマートファクトリー実現に向けた完全無人化への挑戦

スマートファクトリー実現に向けた完全無人化への挑戦

株式会社ヨコオ

代表者 代表取締役社長 徳間 孝之
創業 1922年
業界 製造業
事業内容 コネクタやアンテナをはじめとする電子部品の開発・製造・販売
URL https://www.yokowo.co.jp/

創業100年を迎えた電子機器部品メーカーの株式会社ヨコオ(以下ヨコオ)。コネクタやアンテナなどの電子部品を手がけ、自動車・通信・医療など幅広い産業の進化を支えている。
国内外の生産拠点と開発体制を活かし、独自技術による「つなぐ」ソリューションをグローバルに展開している。

  • 課題・要望
    • 人手による対応では夜間・休日の稼働ができず、稼働率は最大40%にとどまり生産性向上に制約があった
    • 半導体治具製造ラインの加工機へのワーク・ツールセットの搬送・取付を手動で行っていた
    • 製造業が抱える構造的課題として、技術継承の難しさや人材不足が顕在化していた
  • 解決策・ソリューション
    • プロジェクトの進行を支援し、課題のヒアリングと適切な提案を通じてスムーズな導入を実現
    • MES・AGVロボ・FA機器を統合した自動化ラインを構築。工具・ワークの搬送から加工指示・進捗管理までを一気通貫でデジタル化
    • 作業者が介在しない無人ラインを構築し、夜間・休日も自動で加工が進む仕組みを導入
  • 効果
    • 稼働率が従来の最大40%から80%以上に向上し、加工アウトプットが大幅に増加
    • 稼働率向上により保有設備を半減できる見込みが立ち、MES管理によって加工リードタイムも短縮
    • 誰でも同じ作業が可能となり、新人の即戦力化が実現。働き方改革や人材育成にも寄与

お客様の声

左から
株式会社 ヨコオ
・執行役員 生産プロセス革新本部長 兼 CTC/FC/MD 製造統括
 赤尾 剛 様
・生産プロセス革新本部 部長
 野島 広幸 様
・生産プロセス革新本部 RPF革新部 プロセス開発課 次長
 篠田 雅紀 様
※肩書は取材当時のものです

MES・AGV連携による加工工程の完全無人化

ヨコオは、スマートファクトリーの実現を目指す中で自動化・無人化の取り組みを進めており、その第一歩として加工機と搬送機の自動化に着目しましたが、加工現場では以下のような課題が顕在化していました。

― 加工現場における生産性低下と属人化の解消に向けての課題

・作業のばらつきと属人化
 従来、半導体治具※の製造ラインでは、マシニングセンタ(加工機)への工具やワークの搬送・取付をすべて手作業で行っており、作業品質のばらつきや属人性が課題となっていました。
・生産性・稼働率の限界
 そのため、夜間や休日には設備を稼働できず、稼働率は最大でも40%にとどまり、生産性向上に大きな制約がありました。
・技術継承と人手不足
 さらに、製造業が抱える構造的な課題として、技術継承の難しさや人材不足も顕在化しており、持続的な運用体制の構築が急務となっていました。

※治具(じぐ):製造業や加工業において、製品の製造や組み立て、検査を効率的かつ正確に行うために使用される補助具や装置のことを指す。

― スマートファクトリー実現に向けた取り組み

これらの課題を解決するため、ヨコオはCCTと連携しました。
CCTは、プロジェクトの初期段階から課題のヒアリングを丁寧に行い、適切な提案を通じてスムーズな導入を支援しました。
具体的には、MES(製造実行システム)・AGV(無人搬送車)・FA機器を組み合わせた自動化の仕組みを構築。
工具やワークの搬送・交換・加工指示・進捗管理までを一気通貫でデジタル化し、作業者が介在しない無人ラインを実現しました。
半導体検査治具のボトルネック工程(加工・検査)の自動化を、コンサルティングから構築・運用まで支援することで、24時間稼働を可能にしました。

導入による効果

・稼働率の倍増と生産性向上
 従来最大40%程度だった稼働率が、MESとAGVロボの導入により80%以上へと倍増。加工アウトプットが大幅に向上しました。

・設備投資の最適化と加工リードタイムの短縮
 稼働率の向上により保有設備を約半分に削減できる見込みが立ち、MESによる管理徹底で加工リードタイムも短縮されました。

・作業の標準化と人材育成への貢献
 自動化および作業の標準化によって、新しい人材でも即戦力として活躍できる環境が整いました 。業務の効率化と働き方改革にも貢献しています。

株式会社ヨコオ 富岡工場
株式会社ヨコオ 富岡工場
MESとAVGロボ導入で24時間運用が可能になり稼働率が40%から80%以上に向上
MESとAVGロボ導入で24時間運用が可能になり稼働率が40%から80%以上に向上

―CCTとの連携と今後の展望

CCTは、ヨコオのプロジェクトにおいて、課題の整理から解決策の提案、導入支援までを一貫してサポートし、スムーズな進行に貢献しました。
ヨコオでは、2030年に「自律化無人工場」の実現を目指しており、今回のマシニングセンタ自動化を皮切りに、他工程への展開や国内子会社・海外工場への導入も計画しています。
こうした大規模な取り組みを通じて、社員一人ひとりの自律的な成長を促し、企業全体の重要課題である「人材育成」にもつなげていく方針です。

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