
代表取締役社長CEO 金子 武史
東京理科大学理工学部情報科学科卒業後、株式会社インクス(現SOLIZE(株))入社。
製造業向けのCAD/CAMの開発などに従事。その後コンサルタントに転身し、製造業、金融、流通などの業務改革を支援。
2010年当社に参画。2015年に代表取締役社長CEOに就任。
IT産業の新たな地平を目指してさらなる前進を続けていきます
2009年9月、製造業向けDX支援を展開するベンチャー企業の出身者7名で創業した当社は、お客様の「設計工程のデジタル化」「生産工程の自動化」領域に対象を絞り込み、事業展開を開始しました。お客様一社一社の課題に向き合い、信頼と実績を地道に積み重ねてきた結果、当初は属人的だった高い技術力も標準化されて組織能力へと昇華し、競争力の核となっています。
DX支援と並行して展開してきた独自の「IT人材調達支援」も成長の原動力です。優秀なIT人材を仲間に招き入れるべく、創業の直後からIT企業を一社一社訪問行脚して協業先の拡大に努めてきた結果、ビジネスパートナーネットワーク「Ohgi」の参加企業は、今や約5,900社※に上っています。
このように順調な成長を続けている当社グループですが、単に事業規模を大きくすることが私たちの目標ではありません。「What We Do(私たちがすべきこと)」として、「IT産業の次世代を創出する」という言葉を掲げています。それは優れたITの力で、多くの産業のサステナブルな発展に貢献すると同時に、自分たちの属するIT業界をより健全で魅力ある姿に進化させていくことが使命だということです。
たとえば、日本のIT産業は、委託された業務を下へ下へと流すピラミッド型の多重請負構造となっており、下に行くほど単価が下がり、上層と下層では驚くほどの賃金格差が生じています。「Ohgi」の構築は、こうした歪みを打破する活動でもあります。
残念なことですが、日本のIT業界では「お客様の言う通りに」という“御用聞き”的な姿勢が未だに主流です。しかし、われわれIT企業が本当に価値あるDX支援を志向するならば、「お客様にとって何が最良なのか」を、まず自分たちの側で主体的に、徹底的に考え抜かねばならないはずです。
当社のDX支援では、そのように考えぬいた上で「目指す姿」を定め、プロトタイプで実現性を示し、その後アジャイル方式で機能拡張していくことで着実にDXを推進していきます。このようなプロセスをメソッド(CCT-DX Method)として標準化しています。このメソッドの最大の特長は、最終ゴールに「顧客自身によるDXの内製化の実現」を据えている点です。
これは顧客の視点に立った結果です。顧客側からすれば、システム開発会社の高度な技術力は活用したいが、自社システムの根幹技術を外部に依存し続けることにはリスクを感じるはずです。そのため当社では、システムが組み上がった後は顧客側で継続的にDXを実践していけるよう、技術移転を含めて内製化を支援しています。
これは日本の既存SIerにはなかなかできない発想だと思います。顧客による内製化では、システム改良や保守などその後の収益が期待できなくなるからです。しかしIT人材調達支援も同時に展開している当社の場合、顧客による内製化でも人材面で支援を継続できるので収益面の影響は少なく、むしろ信頼を深めることで顧客との関係をより強固にできるのです。
この業界のすべてのエンジニアが、自分の創出する価値を、公正に評価してもらえる世界を実現したい。それは業界全体のサステナビリティ向上にも必ずつながる、と私は信じています。
2024年12月末時点
代表取締役社長CEO
