Case Studies

事例紹介

クラウドソリューション 製造業

全社DXの推進により、年間約25万5千時間の削減効果と損益分岐点の低減(最大17%)を達成。 その中核を担うSalesforce戦略営業DXを構想から定着まで伴走

全社DXの推進により、年間約25万5千時間の削減効果と損益分岐点の低減(最大17%)を達成。  その中核を担うSalesforce戦略営業DXを構想から定着まで伴走
東レエンジニアリング株式会社 代表取締役社長 岩出 卓様

東レエンジニアリング株式会社

創業 1960年
業界 製造業
事業内容 プラントエンジニアリング、フィルム関連・リチウムイオン電池製造装置、ファクトリーオートメーション、CAEソフトウェア、FPD製造装置、半導体製造・検査装置、環境/プロセス計測装置の開発・設計・製造/施工・保守
URL https://www.toray-eng.co.jp/

1960年の設立以来、東レグループの製造を支える中核企業として、プラントエンジニアリングから装置開発、システム構築まで幅広い技術と現場力を提供している、東レエンジニアリング株式会社。

2018年に、Salesforceを情報共有ツールとして基幹フロント化する、全社のプロジェクトを発足させました。背景には、部署ごとに個別最適された情報管理、非効率な業務による負荷の増大など、さまざまな課題があったといいます。

CCTと共に取り組んだプロジェクトの概要とソリューション、得られた効果、そして今後の展望などについて、代表取締役社長の岩出卓さんと社員の皆さんにお話を伺いました。

  • 課題・要望
    • 事業部ごとに営業・顧客・案件情報が分断され、全社として営業状況や受注見込みをリアルタイムに把握できず、経営として重点案件や注力領域を判断する材料が不足していた。
    • 営業活動や顧客対応に関する情報が個人に属しており、案件進捗や対応履歴が共有されないことで、営業プロセスの再現性が低く、組織全体の営業力強化につながりにくい状況だった。
    • 既存システムでは部分最適が先行し、設計・生産・調達など全体最適の視点で業務を見直すことが難しく、全社的な業務効率化や生産性向上に限界を感じていた。
  • 解決策・ソリューション
    • Salesforceを、営業・顧客・案件情報を集約する“基幹フロント”として位置づけ、全社共通で参照できる情報基盤を整備。経営層・現場が同じデータをリアルタイムで把握できる環境を構築した。
    • SalesforceとSAPを連携させ、顧客情報に加えて商談、受注、施工指図などのデータを一元化。営業から受注後プロセスまでをデータでつなぎ、部門を横断した情報活用を可能にした。
    • 一度に全社導入するのではなく、まず1つの事業部で営業プロセスを整理し、「成果につながる勝ちパターン」を可視化。そのプロセスをSalesforceに落とし込み、他事業部へ段階的に横展開するアプローチをとった。
  • 効果
    • 営業・案件情報を集約した全社ダッシュボードにより、事業部・案件ごとの状況をリアルタイムで可視化できるようになり、経営層・マネジメントの判断精度が向上した。
    • 営業活動が担当者の経験・勘に依存する形から、データに基づく戦略的な営業活動へ転換。営業プロセスの再現性が高まり、営業案件数1.5倍を達成した。
    • Salesforceへの統一により、複数システムへの個別入力が不要となり業務効率が大幅に向上。受注登録は1件あたり20分から3分へと85%短縮した。
    • これらの取り組みを含む全社的な業務改革の結果として、工数換算で年間約25万5千時間に相当する削減効果を実現(このうちSalesforce(SFA)活用による効果は約5万時間と試算されている)。さらに、こうした取り組みにより収益構造の最適化が進み、損益分岐点の低減(最大17%)を実現した。

お客様の声

―東レエンジニアリングさんのビジネスについてお聞かせください。

岩出様:東レエンジニアリングは東レグループのプラント、機械設備を設計製作する会社として、1960年に設立されました。
「新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を企業理念として掲げ、エンジニアリング事業、メカトロファインテック事業、そして開発部門の3つを柱に、総合エンジニアリング企業として、プラント、ファクトリーオートメーション(FA)や製造装置・ソフトウェア開発など幅広く手掛けています。

―全社のプロジェクトを立ち上げるきっかけとなった、以前の課題についてお聞かせください。

東レエンジニアリング株式会社 情報システム部門 DX推進室長 本田 顕真 様
東レエンジニアリング株式会社 情報システム部門 DX推進室長 本田 顕真 様

プロジェクト企画担当者:各事業部で情報が集約されておらず、さらには業務が属人化されていることによってさまざまな問題が生じていました。例えば営業の部署では、各営業担当が持っている情報が集約されずにいろいろな資料に分かれており、その時の状況をリアルタイムで把握することができませんでした。

また、顧客対応も非効率になっていました。お客様からの問い合わせはだいたい年間で1000件以上あるのですが、各担当者がそれぞれメールや電話で受けた問い合わせを個人で抱えてしまい、他の人間には進捗がわからない状況でした。

加えて、ちょうど別件で3D CADを普及させるプロジェクトが進んでいたのですが、調査していく中で、3D CADを単独で導入しても、会社全体の業務は効率化できないということがわかりました。なぜなら、途中でものを作るために2Dに落とす必要があるなど、20年以上前のシステムでは対応できないことがわかったからです。やはり設計から生産、調達、購買まで一貫しているシステムを入れないと効果が出ないと痛感しました。

岩出様:こうした、事業部ごとでバラバラになり共有されていない情報のあり方、そして属人化している業務の進め方は、全社的な大きな課題でした。生産性を向上するためにも、 あるべき姿を追求して業務の効率化を目指すべきだと考え、2018年に全社のプロジェクトをスタートさせることを決めました。

―プロジェクトでは、具体的にどのような改善を行ったのでしょうか。

プロジェクト企画担当者:Salesforceを全社情報共有ツールとして基幹フロント化し、その中でSFA(セールス・フォース・オートメーション)を核に3D CAD、PDM(製品データ管理設計システム)、PLM(製品ライフサイクル管理システム)を一括で導入しました。

SFAはクラウドソフトの営業支援システムで、顧客に関するあらゆる情報を網羅する顧客管理機能、顧客との商談の進捗や状況を把握する案件管理機能、目標に対してどの程度進捗しているかを可視化する予実管理機能など、戦略的な営業活動をサポートしてくれる様々な機能があります。

導入にあたっては、まずプラント営業部でSFAを活用して営業の「勝ちパターン」を見つけ、それをシステムに落とし込みました。そしてそれを活用すると共に、開発部門をはじめ他事業部、関係会社と連携して横展開をしていきました。

―Salesforce全社導入のパートナーとしてCCTを選んだ経緯と決め手を教えてください。

プロジェクト企画担当者:実はCCTさんとコンタクトをとったのはSalesforceの導入を決めた後だったのですが、多数のSalesforceの構築実績があるパートナー企業であることをセールスフォース・ジャパン社から聞いたことから、まず小口の別件からお願いをしてみることにしました。その結果、お願いした仕事のやり方が非常に真摯で、信頼できると感じたことが理由の一つです。また、言われたことをただやるのではなく、当社に最適な方法を自発的にいろいろと提案してくれたことも決め手となり、今回のプロジェクトをCCTさんにお願いすることにしました。

―進める上で大変だったことは何でしょうか。そして、どのようにその課題をクリアしていったのでしょうか。

プロジェクト企画担当者:周りの理解を得るのに時間がかかったことです。大々的にシステムを導入するのは20年ぶりだったため、先が見えない、入れたらどうなるか不安という理由で、始めは反対する人も多くいました。しかも、「SFA」とか「PDM」、「PLM」といったアルファベットのなじみがないシステムの名前が一気に降りてきて、そもそもみんな、「よくわからない」というのが正直なところだったと思います。

そうした課題に対しては、新しいシステムがどのようなもので、導入することでどのような効果が得られるのかを地道に説明しながら、現場で実際に業務に携わる人たちに「よし、やろう」と思ってもらえるよう努めました。

それから、CCTさんがスピーディにSalesforceの環境を構築してくれたことも、大きな後押しとなったと思います。百聞は一見に如かずで、何ができるのかを具体的に目にすることで現場の理解が一気に進み、ユーザとファンが増えていきました。

―そのほか、CCTに依頼してよかったと感じたことはありますか?

プロジェクト企画担当者:「一緒に課題を見つけてクリアしていきましょう」というスタンスで状況に合わせて臨機応変に対応してくれたことですね。そして我々の中に入り込んで伴走してもらったことで、大変なプロジェクトを乗り切ることができたと思います。

効果的だったのは、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルではなく、観察・状況判断・決定・実行の「OODAループ」で対応したことです。OODAは文字通り「サイクル」ではなく「ループ」なので、途中で任意の段階に戻ったり、柔軟に方針転換をしたりすることが可能です。自由度が高く、変化に強いOODAループでスピード感をもって対応したことで、短期間で求める機能を実装してもらうことができました。

―Salesforce導入で解消できた課題、得られた効果について教えてください。

プロジェクト企画担当者:先ほどお伝えした、営業支援システムのSFAの活用によって、担当者の経験と勘に頼る営業活動から、情報に基づいた戦略的な営業活動に進化させることができるようになりました。導入後は、コロナ禍の経済自粛下にも関わらず、営業案件の数が1.5倍に増加しています。

ほかにも、全社ダッシュボードを作成してグループごとの受注状況や営業案件ごとのステータスを見える化し、受注確度が向上したり、今までは既存のレガシーシステムにそれぞれ個別入力を行っていたものをSFAに統一したことで、受注登録や製作指図の発行業務におけるスピードアップも実現したりしました。
全社DX推進によって、受注の登録にかかる時間は1件あたり約20分かかっていたものが3分へと85%短縮。Salesforce単体の効果に加え、全社的なDXおよび業務改革による総合的な成果をもとに、工数換算で年間約25万5千時間に相当する削減効果※につながっています。また、このような全社的な業務改革の取り組みにより、収益構造の最適化が進み、損益分岐点の低減(最大17%)にもつながっています。
※このうちSalesforce(SFA)活用による効果は約5万時間と試算されています。

散在していた情報が1つの基盤に統合され、案件情報や顧客状況をリアルタイムで全社で共有可能に
散在していた情報が1つの基盤に統合され、案件情報や顧客状況をリアルタイムで全社で共有可能に

―今後の東レエンジニアリングさんの展望と、CCTに期待することやご要望があればお聞かせください。

プロジェクト企画担当者:今後は、間接部門などにSalesforceの活用を広げ、より全社的に業務の改善、生産性の向上を目指したいと思っています。CCTさんには、それぞれの部署でどのようにSalesforceを活かせるのか、他社の事例などをもとにどんどん提案をいただけるとうれしいですね。
また、SFAは導入すればそれで終わりではなく、継続的な定着・維持・改善が必要です。CCTさんは、システムを導入したあとの保守運用まで中長期で伴走してくれるのが強みの一つでもあると思うので、今後も一緒になって、システム導入の効果を最大限にするべく取り組んでいけたらと思います。

プロジェクト企画担当者:Salesforceを導入したことで、データドリブンな戦略を練るベースが整いました。あらゆる情報をDBに蓄積していけば、その情報を使って分析し、進むべき道をデータに基づいて検討することが可能になります。今後は業務の効率化により生まれた時間を、そうした分析や戦略を練ることに使い、データドリブンな取り組みをさらに進めていきたいです。
それから、蓄積したデータをさらに活用し、AIによる分析などにも挑戦してみたいですね。例えばSalesforce Einstein Analytics(現:CRM Analytics)などのツールを連携させて、AIによる新たな気付きを得ることができれば、さらなる業務の効率化を進めていけるのではないかと期待しています。

※肩書は取材当時のものです

視聴時間:7分55秒

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