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【製造業DX】製造業のDXに役立つMES(製造実行システム)とは?

技術情報
2022-04-19
MES

昨今、製造業でDXが推進されている中で、MESの重要性が高まっています。MESは製造業の根幹ともいえる製造現場の情報管理に特化したシステムであり、データを活用してものづくりの強みを最大限に発揮していくために役立つでしょう。

本記事では、MESの概要や導入メリットに加えて、MESを構成する機能をまとめて解説いたします。

MES(Manufacturing Execution System)とは?

MES(Manufacturing Execution System)は、日本語では「製造実行システム」とも呼ばれているものです。製造現場の管理や見える化、製造指示、作業者の支援などを行うためのシステムとして知られています。

MESがどういったシステムなのかを理解するために、製造現場における情報管理を3つの階層に分けて考えてみましょう。
製造現場における情報管理

  • 計画層
    ERP、SCM、PLM、生産管理システムといった基幹系の情報システム
  • 実行層
    上下の階層と連携しながら実際に製造現場を動かすMESなどのシステム
  • 制御層
    PLCやDCS(分散制御システム)など、生産設備を直接動かすシステム

一般的に、製造業では全体的な生産計画を計画層に当たる基幹系システムが担っており、その計画に基づいて製造現場がものづくりを進めていきます。なぜMESのような実行層が必要かというと、実際にものづくりを行うためには、製造現場の状況に合わせてより詳細なスケジュールを立てたり、進捗状況をリアルタイムに把握したりする仕組みが必要になるためです。

基幹系システムが立てた生産計画は粒度が粗いケースが多く、分単位や秒単位で動くこともある製造現場を管理するのには適していません。また、基幹系システムの多くは生産設備との連携機能が充実していないため、リアルタイムな進捗状況を把握するのは困難です。

しかし、より製造現場に近いシステムであるMESを活用すれば、現場から求められるレベルの詳細なスケジュールを立てて作業者や設備へ製造指示を出すことができます。さらに、MESは生産設備との連携機能が強化されているため、各設備からのデータ収集もしやすくなるのです。

MESが実行層として間に入ることによって、製造現場はより効率的にものづくりを進められるようになります。また、MESに蓄積されたデータを分析すれば、さらなる生産効率の改善に取り組むことも可能です。

MESを導入するメリット

では、製造業がMESを導入するメリットについて改めて考えてみましょう。

1.自社のリソースをムダなく活用できる

製造業は自社の限られたリソースをムダなく活用して、付加価値を高めていかなくてはなりません。基幹系システムよりも製造現場との距離が近いMESを導入すれば、生産設備や作業者を始めとするリソースの空き状況を的確に把握し、リアルタイムに変化する生産計画や進捗状況に合わせた最適な形で作業割り当てを行えるようになります。

また、多くの製造現場は今でも紙の帳票やホワイトボードを使ったアナログな管理を行っています。アナログな管理にはムダが多く、作業者の負担も大きいものです。MESでは、タブレット端末やハンディターミナル、RFIDタグといった記録業務を効率化する機器をよく採用しているほか、生産設備のPLCから直接データを吸い出して管理するといったことも可能です。貴重なリソースである作業者の負担が軽減されれば、本来の仕事である生産業務に集中できるようになるでしょう。

2.ものづくりのQCD向上に役立つ

製造現場には、ものづくりのQCD(品質・コスト・納期)の向上が常に求められています。MESを導入して製造現場に関するあらゆるデータを収集・管理できるようになれば、QCDの向上に役立てることが可能です。

たとえば、MESに集まったデータを分析して生産設備のトラブルや異常を発見できれば、不良品の発生を未然に防げます。また、作業者や生産設備の空き状況を踏まえてムダのないスケジュールを組めるようになるので、コスト削減や納期の短縮を実現できます。

3. 技能継承の課題を解決できる

日本企業のものづくりは今でも熟練技術者の勘や経験に頼っている部分が多く、属人化が進んでいます。昨今の人手不足によって若手人材が確保しにくいという背景もあり、技能継承が大きな課題と考えられてきました。しかし、MESがその課題の解決に役立つと期待されています。

MESには、製造現場でのものづくりに関するあらゆるデータが集約されており、その中には、熟練技術者のスキルやノウハウも含まれています。熟練技術者がこれまで勘や経験で行っていた作業をほかの作業者に共有したり、生産設備で自動化したりできるようになれば、ものづくりの力はさらに高まっていくでしょう。

MESを構成する機能

アメリカのMES推進団体である「MESAインターナショナル」によると、MESの機能は11の機能に区分されています。ここでは、各機能の内容を要約して解説します。
MESの機能

  1. 作業のスケジューリング
    基幹系システムが立てた生産計画に基づいて、作業者単位や設備単位など、より詳細かつ具体的なスケジュールを立てる機能

  2. 生産資源の配分と監視
    生産設備や作業者、工具、資材など、さまざまな生産資源の情報を管理し、適切に配分したり、状況を監視したりする機能

  3. 作業手配・製造指示
    生産設備や作業者に対して、オーダー・ジョブ・バッチ・ロットといった単位での作業手配や製造指示をする機能

  4. 実績分析
    生産の実行状況や実績データを蓄積し、過去の履歴データやスケジュールと比較して分析をしたり、進捗管理をしたりする機能

  5. 保全管理
    生産設備や工具などの状態を管理し、定期メンテナンスのスケジュールを作成・実行する機能

  6. 工程管理
    生産の実行状況を監視して作業者の判断や意思決定を支援したり、異常時にアラートを出して不具合の発生を未然に防いだりする機能

  7. 品質管理
    製品の検査結果や不良情報といった情報を収集・分析することで、適正な品質管理を行う機能

  8. データ収集
    いつ、だれが、どの設備で、どのように生産したか、といった生産に関するデータをリアルタイムに収集し、生産の進捗状況や状態を管理する機能

  9. 製品の追跡と生産体系の管理
    生産の途中工程で発生する仕掛品の所在や履歴、後工程の予定などを把握する機能

  10. 作業者管理
    作業者の作業状況やスキルを把握し、負荷状況などを踏まえた上で最適な作業割り当てを行う機能

  11. 文書管理
    製造指示書・レシピ・図面・作業手順書・仕様書・BOMといった作業に必要な文書を管理したり、設計変更などの履歴を蓄積したりする機能

実際のところ、これらの機能がすべて揃っていなければMESと呼べないわけではありません。どの機能が必要になるかは製造現場によって異なるため、各企業が自社のニーズに合った形でMESを構築していくのが一般的です。自社に必要な機能が何か、また、その時にどういったデータを収集・管理すべきなのかをしっかりと定義した上で、システムを構築するようにしましょう。

MESの導入を検討している企業様へ

今回は、製造業のDXに役立つMES(製造実行システム)についてご紹介しました。MESを導入することで、製造業のものづくりはさらに進化していくでしょう。本コラムを参考にしつつ、MESの導入を検討していただければ幸いです。

CCT(コアコンセプト・テクノロジー)では、これまでIoT/AIソリューションとして提供してきた「Orizuru」を昇華させた「Orizuru MES」の開発を進めています。「Orizuru MES」は日本企業好みのカスタマイズ性を有し、伝統的なものづくりの力を最大限に活かすことのできるDX開発基盤です。2023年に新製品としてリリース予定となっていますが、現在は個別対応を行っており、自動車部品メーカーのDX実現に向けて企画からシステム構築までを支援した実績があります。MESの導入や製造業のDXに興味のある方は、お気軽にこちらよりお問い合わせください。。

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