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【製造業DX】「PLM」とは?~製品ライフサイクルをデータ管理し、製品開発力の強化につなげる製造業DX手法~

技術情報
2022-03-17

変化の激しいこれからの時代を生き抜くために、製造業には製品開発力の強化が求められています。そこで改めて注目を集めているのが、PLM(Product Lifecycle Management)です。PLMの導入は製品開発力の強化や業務効率の向上に役立つだけでなく、DXの実現にもつながる取り組みです。

本コラムでは、これからの製造業を支えるデータ基盤となり得るPLMについて解説いたします。

PLM(Product Lifecycle Management)とは?

PLM(Product Lifecycle Management)は、一般的に「製品ライフサイクル管理」と言われる取り組みです。また、製品ライフサイクルを管理するシステムを指す言葉としても使われています。

ここでいう製品ライフサイクルとは、製品の企画・設計・製造・販売・保守・廃棄といった一連のプロセスのことを指します。PLMでは、製品ライフサイクル全体で生まれる情報をデータとして一元管理したり、各プロセス間で情報共有をしたりすることで、製品開発力の強化や業務効率の向上を実現していきます。

PLMによく似た手法で、PDM(Product Data Management)というものがあります。これは、設計図面・CADデータ・BOM(部品表)といった設計データを一元管理するシステムであり、PLMと混同する人が多いようです。

両者の大きな違いは、管理対象となるデータの範囲です。PDMが設計プロセスのデータのみを管理するのに対して、PLMでは製品ライフサイクル全体のデータを管理します。たとえば、ある製品をPDMで検索すると設計図面やCADデータしか閲覧できません。しかし、PLMではそれらに加えて、その製品の製造方法や在庫状況、顧客情報といったあらゆるデータを閲覧できます。PLMの中にPDMが含まれていると考えれば、イメージしやすいのではないでしょうか。

PLMとPDMの違い

PLMが重視される理由

PLMは2000年代から存在していましたが、自動車産業や航空機産業、電機産業といった特定の業界でしか導入が進んでいませんでした。しかし、最近ではあらゆる業界でPLMが注目されています。なぜ今になってPLMが重視されるようになったのか、理由は以下のようなことが挙げられます。

  1. これまで以上にQCDを高める必要がある
  2. 変化への対応力が求められている
  3. データ基盤として活用できる

1. これまで以上にQCDを高める必要がある

昨今ではグローバルな競争が激化しており、より良い製品を低コストかつ迅速に市場に投入できなければ、競合他社に敗れてしまう可能性が高まっています。

そこで役立つのが、PLMです。PLMで一元管理されたデータを分析して改善を繰り返せば、各プロセスの業務効率を向上させられます。また、各プロセスの持つ情報をリアルタイムに全体で共有できるので、作業の手戻りなどのムダをなくせます。

2. 変化への対応力が求められている

変化の激しいこれからの時代では、将来を予測することは極めて困難です。従来の製造業は、企業が良いと感じた製品を開発する「Product-Out」と呼ばれる手法でも成り立っていました。しかし、今後は激しく変化する顧客ニーズを素早く察知し、それらに的確に応えた製品を開発する「Market-In」と呼ばれる手法にシフトしていかなくてはなりません。

PLMで自社製品に関するデータが一元管理されていれば、販売部門が得た顧客ニーズを設計データに反映し、各プロセスに共有して素早く製品を市場に投入する、といったことが実現できます。PLMでデータを有効活用していけば、世の中の変化に柔軟に対応できるようになるのです。

3. データ基盤として活用できる

多くの製造業は、次のような課題を抱えています。

  • 製品に関する情報を各部門が個別に管理しており、全社での共有・活用ができていない
  • 紙での情報管理が中心で、ムダが多く非効率である
  • 過去の情報を参照したくても、必要な情報がどこにあるのか分からない

PLMは自社製品に関する情報を集約するデータ基盤として活用できるので、これらの課題を解決するのに役立ちます。また、従来からあるデータだけでなく、IoTやAIなどの新しいデジタル技術によって得られたデータを管理することも可能です。

PLMを導入して自社のデータ基盤を構築しておけば、デジタル技術の活用によるDXの実現に大きく近づけるといえるでしょう。

PLMの実行に必要な機能

PLMには、一般的に次のような機能が必要とされています。

  • ポートフォリオ管理
  • 要件管理
  • 図面管理
  • CADデータ管理
  • BOM(部品表)管理
  • 設計変更管理
  • 開発スケジュール管理
  • 製造工程表管理・製造条件管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 取引先・購買部品管理
  • サービス部品管理・保守管理

実際には、このように多岐に渡る機能を1つのシステムですべて備えることは難しいため、複数のシステムを組み合わせたプラットフォームがPLMとして提供されています。

PLMを導入する上でのポイント

PLMは製造業にさまざまなメリットをもたらしますが、より導入効果を高めるために覚えておきたいポイントが2つあります。

1. スモールスタートを意識して導入する

PLMの導入は企業全体に関わる大きなプロジェクトになります。失敗しないためには、慎重に導入を進めていかなくてはなりません。そこでおすすめなのが、スモールスタートです。

最初からすべての部門でPLMを使おうとすると、現場が混乱してしまって思うように活用できない可能性が高まります。また、実際に使い始めてから自社の業務に合わない機能が見つかったり、必要な機能が足りないことに気づいたりするケースも多いです。

そのため、最終的な目標を描きつつも、まずは1つの部門で機能を絞って導入し、改善や機能追加を繰り返しながら別の部門に横展開していくと失敗しにくくなります。

CCTによるPLM導入

2. ほかの業務システムと連携させる

PLMは、ERPやSCMといったほかの業務システムと連携させることでより導入効果が高まります。ERPやSCMも製品のデータを必要とするため、個別にデータを管理するよりもPLMのデータを共有した方が効率的です。また、ERPで管理している経営資源の情報やSCMで管理している取引先情報なども、製品開発にとって重要なデータになります。

製造業ではほかにも、さまざまな業務システムを使用しています。ほかの業務システムと連携がしやすいように、拡張性が高いPLMを導入しておくとよいでしょう。

PLMの導入に興味のある企業様へ

今回は、これからの製造業を支えるデータ基盤となり得るPLMについてご紹介しました。PLMを導入することで、製造業は製品開発力の強化や業務効率の向上といったメリットを得られるだけでなく、さらなるDXに取り組む基盤も整えることができます。本コラムを参考にしつつ、PLMの導入を検討していただければ幸いです。

CCT(コアコンセプト・テクノロジー)では、PLMプラットフォーム「Aras Innovator」の導入コンサルティングによって製造業のデータ活用を支援しています。「Aras Innovator」はサブスクリプション型のソフトウェアであり、スモールスタートに最適です。自社の業務に合わせた最適な形にカスタマイズすることもできるので、確実にデータ活用を進めていただけます。CCTではスモールスタートを実現するのに最適なアジャイル開発チームを編成してPLM導入を支援いたします。

また、CCTでは「Aras Innovator」と「Orizuru 3D」の連携による3D類似検索機能も提供しています。これにより、「Aras Innovator」に眠る過去のノウハウを有効活用することが可能です。ほかにも、「Salesforce」で設計・開発情報を一元管理し、PLMのように使えるようにした実績もあります。

CCTは、製造業のPLM導入に役立つさまざまなソリューションを提供しています。ご興味のある方は、お気軽にこちらよりお問い合わせください。

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