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【建設DX】3次元モデルを活用したBIM/CIMツールのあるべき姿とは

技術情報
2022-05-24

BIM/CIMとは

BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling,Management)とは、「建設工事における計画・調査・設計のフェーズから3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理においても情報を充実させながらこれを活用し、あわせて事業全体にわたる関係者間で情報を共有することにより、一連の建設生産・管理システムにおける受発注者双方の業務効率化・高度化を図るもの」として取りまとめられた建設生産マネジメントの概念です。

BIM/CIMとは

個別に解説すると、BIMとは、ビルディング インフォメーション モデリング,マネジメントの略で、「建築工事」で3次元のデータと各種情報を紐づけ、調査~設計~施工~管理といった建設プロセス全体の効率化を目指しています。
CIMとは、コンストラクション インフォメーション モデリング,マネジメントの略で、「土木工事」で3次元のデータと各種情報を紐づけ、プロセス全体の効率化を目指すもので、BIMとCIMとの相違点は、BIMは建築物が対象、CIMはダムや道路といったインフラが対象という点です。

BIM/CIMモデルの連携・段階的構築 ※出典:国土交通省 BIM/CIM活用ガイドライン(案)

BIM/CIMの活用状況と今後

2009年を皮切りに建築分野でBIMが普及し始め、2012年にはCIMが後を追う形で土木工事での導入検討が始まり、国際標準化の動向を踏まえ2018年に建築・土木での区分を改め、地形や構造物などの3次元化するもの全体を「BIM/CIM」と言う言葉で統一しました。
 これまで2D図面を用いた様々な作業から、BIM/CIMでは構造物等を3Dモデル化し、各部材に工事に関わる様々な属性情報を付与して活用・共有する事で業務の生産性を高めていく事が可能です。具体的にはBIM/CIMを工事の早期に適用する事でフロントローディングやコンカレントエンジニアリングと言った受発注者間での取組みの加速から施工の生産性を上げていく、更には3Dモデルである事で容易に近隣住民へ物件や工事説明が出来ると言ったメリットがあります。
2023年には小規模を除いた公共工事は原則BIM/CIMの活用が求められます。そのためゼネコンや建設コンサルタント各社は設計・調査・施工・維持管理の各フェーズで3Dモデルを扱い、自分たちが携わるフェーズだけではなく前後の工程でデータモデルを連携させる事を視野に入れ、設計者・施工者・発注者のそれぞれの立場でどう流通させるとよいか、そこに必要となる属性情報は何かと言った議論がここ最近活発化しています。

 では、ITベンダーの立場として、BIM/CIMのツール開発を進めていく上でどのような課題があり、あるいは今後どのような事を目指してBIM/CIMと向き合っていくとよいのでしょうか。

BIM/CIMツールを活用する上での現状課題

建築向けのBIM、土木向けのBIM/CIMツールは様々なITベンダーが開発し、実際にゼネコンや建設コンサルタントで利用されています。前述した通り今後は公共工事においてBIM/CIMの活用が必須となるため、ツールを使う側からすると業務負担等も考慮し自社にとって使いやすいツールを選ぶ必要がありますが、現状はBIM/CIMツールを活用・展開する上で次のような課題があり、そして解決に向けた方向性が考えられます。
BIM/CIMツールを活用する上での現状課題

利用者によってBIM/CIMの導入や活用の仕方に幅がある

BIM/CIMツールは様々であり、設備・構造・建築と言った使う立場や対象の違いで分かれている。3Dモデルのデータ様式もベンダーオリジナルや国際標準形式と色々ありツールが異なるとデータ連携が難しい。

3Dモデル作成や3Dデータの管理に注力し過ぎている

これまでのBIM/CIMの取組みは3Dモデルの設計業務や現場で3Dデータを取得する出来形管理など、3Dデータの生成・収集・確認作業に比重が高くなっている。そうではなく業務全体の効率化を見据えて4D(時間)情報を3Dデータに紐づけ、施工進捗・履歴管理を行う (最近はツール上で施工計画シミュレーションも可能になってきた)。また3DAモデル(3D Annotation Model)の概念を踏襲し、寸法などの属性情報がモデル形状と紐づき、更に様々な属性情報を付加していく事で属性同士の対比などから業務の高度化につなげていく。そのために国も基準の見直しから構造物モデルに必要な形状の詳細度や属性情報を明確化しようとしている。

設計-施工間の情報連携を目的とした4次元モデル作成の手引き ※出典:国土交通省 第5回 BIM/CIM 推進委員会. 議事次第

今のICT環境、デバイスに適合したツールである必要性がある

現場にいる職員が目視でしか施工状況を確認できないと言う事ではなく、離れた場所からもリアルタイムに施工の進捗やモデルの属性管理が可能な遠隔対応型のツールである事が望ましい。最近ではデジタルツインによるモデルの一元管理から誰もがどこからでも3Dモデルにアクセスできる仕組みの構築が可能となっている。現場においても設計モデルと施工の現況地形をその場で照らし合わせるAR技術を用い、それには可搬性の良いタブレットで可視化できる仕組みは、今の時代に即したICTの活用と言う観点でBIM/CIMの促進につながるものである。

部分的ではなく、全体フェーズで管理可能なプラットフォームが望ましい

本来BIM/CIMはあらゆるフェーズで3Dモデルを連携させる事が重要であり、建設生産システムの効率化・高度化、公共事業の品質確保や環境性能の向上及びライフサイクルコストの縮減を図るものとして活用すべきである。そのため、例えば施工のフェーズだけでBIM/CIMを活用できればよいのではなく、前後の工程との関係性も紐づけて管理出来る事が望ましい。あるいは建築であれば、躯体と設備の取り合い確認のために3Dモデルを重ね合わせて干渉チェックできるよう、共通フォーマットでのデータ利用、データ連携・属性管理の柔軟性、可視化技術を備えたBIM/CIMプラットフォームとして一部の利用シーンに限定しない仕組みである事が理想的である。

踏まえておくべき、BIM/CIMの本質的概念

BIM/CIMツールを活用する上で様々な課題がある事に触れましたが、BIM/CIMの活用に関しておさえておくべき概念についても触れておきます。
まず、3Dモデルと一緒に管理される情報は建物のライフサイクル全体を見通した情報マネジメントの原則に従う事に留意する必要があります。これはBIMがISO19650による国際規格として定義されているためで、この規定事項(例えば共通データ環境(CDE)によるプロジェクトデータの保存と管理に関するものなど )を理解し、規格に則って関係者間で適切に情報を管理(最新情報の管理と履歴管理、アクセス権など)していく国際標準への対応が今後求められる事が想定され、国もISOに則った海外工事の実施状況調査に乗り出しています。この標準化への対応に取り組む意義は、ミクロな視点ではデータの損失、データの不備による手戻りとコストの発生、情報検索にかかるタイムロスなどの課題解決がありますが、マクロな視点では今後世界の建設市場により多く参入していくためにも、この本質的な情報マネジメントの概念をBIM/CIM活用の前提として捉えておく事が不可欠です。

BIM/CIMの作業状況に応じた管理方法の記載 ※出典:国土交通省 第5回 BIM/CIM 推進委員会. 議事次第

BIM/CIMツールのあるべき姿と展望

これらの目的と概念を理解した上で、利用者のBIM/CIM活用による実質的なメリットとして、発注者との合意形成、設計業務効率化と品質向上、施工性・安全性の早期検証、施工計画の精緻化、数量算出の効率化などがあり、それらを享受できるあるいは実践可能なツールを選定し活用すべきです。
逆にツールを提供していくITベンダーの立場としては、作成した3Dモデルの確認作業のために利用者側の仕事量が増える、他社のツールで生成したモデルのデータ引継ぎが難しいため活用・展開が進まないなどの技術的課題が露呈し、利用者のBIM/CIM活用促進の妨げとならないよう、やはり情報マネジメントの思想を組み入れた上で、モデル・データ連携機能や一元管理可能なシステム構成、最新のICTでも動作可能な仕組みと言った観点で構築できるかが重要になります。

建設現場での属性自動付与システム導入
※CCTによる現場施工およびBIM/CIMの対応に関する開発

【参考】CCTによるBIM/CIM開発ユースケース詳細はこちらからご覧ください

コアコンセプト・テクノロジーでは3Dモデル(IFC・点群)のブラウザ上での可視化技術をベースに、お客様のBIM/CIMの取組みに必要な仕組み構築を行っています。参考までに現場のBIM/CIM活用促進に向けた施工業務の効率化を目指した取組み事例 を載せております。BIM/CIMの取組みを推進したいが、既存ツールでは実現に課題がありお困りでしたら、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。 

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