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【製造業DX】製造業が取り組むべきカーボンニュートラル

技術情報
2022-06-23
【製造業DX】製造業が取り組むべきカーボンニュートラル

これからの時代では、今まで以上に「地球にやさしい」取り組みが求められていきます。その代表格ともいえるのが、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みです。カーボンニュートラルは製造業とも密接に関わっているため、全社一丸となって取り組んでいかなくてはなりません。

本コラムでは、これからの製造業が取り組むべきカーボンニュートラルについて解説いたします。

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、「温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする」ことです。温室効果ガスの排出量を大幅に削減していき、完全に削減しきれない分を吸収・除去することで、プラスマイナスゼロの状態を目指します。

カーボンニュートラルとは

温室効果ガスは地球温暖化や海面上昇、氷河の後退などを引き起こす原因となっており、それらの影響によって世界各地でかつてない規模の自然災害が頻発しています。

2018年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した「1.5℃特別報告書」では、地球温暖化による気温上昇が工業化以前の水準より1.5℃上がるのと2.0℃上がるのとで、将来の地球環境に与える影響が大きく異なると報告しています。すでに世界の平均気温は約1.0℃上昇しており、予断を許しません。

また、2021年11月に開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締結国会議)では、気温上昇を1.5℃に抑える努力を追求するとした合意文書が採択されました。COP26の時点では、150カ国以上がカーボンニュートラルの達成目標を掲げています。日本も2050年までのカーボンニュートラル達成を宣言しており、各所で取り組みが進んでいる状況です。

製造業とカーボンニュートラルの関係

製造業の事業活動は、カーボンニュートラルの達成と密接に関わっています。

環境省が公表している「2020年度温室効果ガス排出量」を見ると、日本における温室効果ガス総排出量は11億5,000万トンです。部門別の排出量では、製造業を含む産業部門が約34.0%を占めており、最も大きくなっています。つまり、日本がカーボンニュートラルの達成を目指す上で、製造業が重要な役割を担っているといえるでしょう。

企業の温室効果ガス(Greenhouse Gas=GHG)排出量は、国際基準の「GHGプロトコル」によって規定されています。要約すると、次の通りです。

サプライチェーン排出量

  • スコープ1
    事業者自らによる温室効果ガスの直接排出。燃料の燃焼や工業プロセスなど。
  • スコープ2
    他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接的な排出。
  • スコープ3
    その他の間接的な温室効果ガスの排出。原材料の調達、輸送・配送、販売した製品の使用・廃棄、従業員の通勤・出張など、15のカテゴリに分類される。

製造業の事業活動はこのスコープ1から3のすべてに当てはまるため、総合的な取り組みが求められます。また、昨今ではスコープ3基準で、自社のサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目指す企業が増加しているのも特徴です。

たとえば、Appleは2030年までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を目標に掲げており、サプライヤーに対しても省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用を求めています。こういった企業との取引関係を維持するために、日本企業も温室効果ガス削減に取り組まなくてはならないといった状況が今後増えていくと想定されます。

製造業がカーボンニュートラル達成のためにできること

製造業がカーボンニュートラル達成を目指す場合は、どのように取り組みを進めていけばよいのでしょうか。

基本的な考え方となるのは、「温室効果ガスの削減を意識し、自社が排出する温室効果ガスをコントロールする」ことです。そのためには、まずは自社の事業活動における温室効果ガスの排出量を把握しなければなりません。上述した「GHGプロトコル」を参考にしつつ、自社のどこで、どれだけの量の温室効果ガスが排出されているのかをデータで管理していきましょう。

データ管理することで、自社の置かれている状況を見える化でき、削減効果の大きい項目も浮き彫りになります。それらの項目に対して重点的に取り組んでいくことで、効率的にカーボンニュートラル化を進められるでしょう。

温室効果ガスを削減する具体的な方法としては、次のような内容が挙げられます。

  • 工場や事務所の消費電力の削減
  • 再生可能エネルギーへの切り替え
  • 省エネ関連の製品・技術の開発
  • DXやスマートファクトリー化による生産性向上
  • テレワークやWeb会議ツールの導入

また、今後は自社だけでなく、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化が重要になります。サプライチェーンに紐づくすべての関係者は、取引先の排出量を気にしつつ、連携して温室効果ガスの削減に取り組まなくてはなりません。自社の温室効果ガス排出量を明確なデータとして管理し、取引先へ情報提供できる準備を整えておくことが、これからの製造業にとって重要になってくるでしょう。

製造業がカーボンニュートラルに取組むメリット

製造業がカーボンニュートラルに取組むメリット

データ可視化と工数・コストの削減

温室効果ガスの削減するためには、現状の生産工程をデータ取得し、生産効率とともに、温室効果ガス排出量やエネルギー効率を測定し、その上で効率化を図っていくことになります。それゆえ、温室効果ガスの削減イコール作業効率化、生産性の向上と言っても過言ではなく、事業効率が向上します。

自社の企業価値・ブランド価値の向上

今や国際的にも脱炭素の動きが加速する中、SDGsやESGに取り組んでいる企業への評価が比例的に高くなっています。逆に、カーボンニュートラルを始め環境貢献や持続可能化への取組みを全くしていない企業には、不買運動が起きたり、金融機関からの信用が落ち投資対象とならなくなるなど、マイナス評価となる例も増えています。カーボンニュートラルに取り組むことで、企業評価が上がり、取引先、投資家、採用応募など様々なポジティブな効果が生まれます。

新しい取引、新しいニーズの獲得

環境ビジネスの市場は世界的に加速度的に拡大しており、それに伴いビジネスチャンスも膨らんできています。またスコープ2やスコープ3の観点で、自社の排出量削減の取組みが進まないと取引できる企業もどんどん限られていくことになります。カーボンニュートラルへの取組みをきっかけに、新たな取引先、新たな技術やノウハウの獲得を図ることが、事業とESG対応の双方を相乗的に高めることにつながります。

カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいく企業様へ

今回は、製造業が取り組むべきカーボンニュートラルについてご紹介しました。カーボンニュートラルを達成するためには、地道な取り組みを続けなくてはなりません。しかし、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営という言葉がトレンドであるように、これからは「地球にやさしい」取り組みをしていることが製造業にとっての強みとなる時代に変わっていきます。本コラムを参考にしつつ、前向きにカーボンニュートラルに取り組んでいただければ幸いです。

CCT(コアコンセプト・テクノロジー)では、製造業のお客様が目指すべき姿を実現するために、DX(デジタルトランスフォーメーション)による事業変革の支援をしております。「DXに取り組んでみたいけれど、何から始めたら良いか分からない」「DXを推進するためのリソースが足りない」といった企業の方は、お気軽にこちらよりご相談ください。

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