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製造業のデジタルトランスフォーメーション成功事例

事例
2020-04-03
製造業のデジタルトランスフォーメーション成功事例

製造現場では、ノウハウのデジタル化が求められている

現在、日本だけでなくすべての国の製造現場においてあらゆる変革が求められています。変革を実現するためには、モノづくりの現場において、これまで培ってきたノウハウを従業員個人の経験値として頭と身体に蓄積するだけでなく、デジタル化により共有しやすくすることで、リードタイム短縮、生産性向上、品質向上などに生かしていくことが必要です。

これらのデジタルデータを活用して製造現場を変革していくことを、総称して「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といいます。

例えば、ある自動車用の部品を生産している工場を見てみましょう。これまで多くの製造現場では、生産個数、完成品の品質、出荷個数などの「その部品が工場で作られ、出荷されるまで」の情報しか管理ができていませんでした。

この場合ですと、その部品が組み込まれた自動車に故障が発生し、おそらくこの部品が不具合の原因だろうと特定された場合でも、「その部品が生産されたであろう工場」までしかさかのぼることができません。

この部品に、トレーサビリティと呼ばれる、「どの工場でいつ生産されたものか」という情報が入っていたらどうでしょうか?

不具合が発生した原因と思われる部品を製造した工場において、その部品を作り出すための鉄の溶解温度、冷却温度とその所要秒数、ドリルの回転速度などの「生産環境を記録したデータ」を後から呼び出すことができれば、なぜそのような不良品が出来上がってしまったのかなどの原因が特定でき、今後同様の不具合発生を防止すべく、対策を施すことができるようになります。

このように、製造現場におけるデジタルトランスフォーメーションの成功事例としては、「その商品や部品の出荷時」までの品質を担保するだけでなく、「出荷後」の品質まで追いかけることができるようにしたり、不良品が発生した際にその不良品を製造してしまった環境を呼び戻し、どこに問題があったのかを特定したり、同じ不良品を作らないための対策を施すことができるようにする、というものが挙げられます。

製造業のデジタルトランスフォーメーション成功事例画像1

製造現場ではデジタルマニュファクチャリングが求められている

従来の製造現場は「モノづくりをするところ」と定義されていました。しかし、これからは違います。今後はモノをつくり、製造過程のデータを収集するだけでなく、出荷後の販売データやアフターメンテナンスのデータも収集していくことで、より自社クライアントや最終消費者の要望に合った製品や部品を製造していくための「モノづくり+データづくり」として機能していくことが製造現場に求められているのです。

このように、モノづくりだけでなく、納品後に収集するデータも併せて活用し、生産性向上、品質向上、リードタイム短縮を実現するとともに、よりクライアントのニーズに近い製品を生産していくことを「デジタルマニュファクチャリング」といいます。

市場調査と分析で世界的に定評があるフロスト&サリバン社によると、デジタルマニュファクチャリングの市場規模は世界的に伸びていて、2016年から2021年にかけて年平均成長率7.1%で伸長していくと予想され、2021年には約65億USドルに達する見込みとのことです。

製造業のデジタルトランスフォーメーション成功事例画像2

DXやデジタルマニュファクチャリングの実現には新しい技術が必要

デジタルトランスフォーメーションやデジタルマニュファクチャリングを実現するためには、IoT、AI、RPAなど、これまで製造現場ではあまり見られなかった新しい技術を取り入れることが必要です。

例えば、RFIDタグの活用をイメージしてみましょう。RFIDタグを使えば、ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報を得ることができます。

先ほどの自動車部品の例では、一定以上の大きさの部品にはRFIDタグを埋め込んでおくことで、出荷後どころか、自動車に組み込まれた後、さらには街の中を走り、解体された後でも、その部品がいつどの工場で製造され、どのクルマの部品として使われていたのかなどを把握することができる、すなわちトレーサビリティが実現するのです。

RFIDという従来からある技術と近年急速に進歩しているIoT技術を組み合わせることにより、「出荷まで」だけでなく「出荷後」の管理ができるようになることで、製品そのものの価値だけでなく、その製品に付随するデジタル情報の価値をも付加することができるため、クライアントの満足度をより高めたり、製品単価を上げたりすることができるでしょう。

製造業のデジタルトランスフォーメーション成功事例画像3

デジタルトランスフォーメーション(DX)の課題

先ほど、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現にはIoT、AI、RPAなど、新しい技術を取り入れることが必要とお伝えしました。

新しい技術を取り入れるためには、技術導入のための資金確保、IT人材の採用、従業員への教育や製造現場への組み込みなど、多くのハードルを越える必要があります。
また、もう一つ重要なのが、それらの新しい技術やサービスを管理するためのプラットフォームの選定です。

製造現場におけるIT化やデジタルデータ採取にとどまらず、製造部品の調達、原価管理、販売データ、営業データ、顧客管理など、すべての情報を一元管理できるような業務システム導入することができれば、デジタルトランスフォーメーションの成果をさらに大きくすることができるでしょう。

製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)とは、単純にロボットやシステムを現場に導入する、ということではありません。すべての製造プロセスや出荷後のデータを一元管理し、現場にフィードバックすることで、生産性と安全性が高く、製造コストが低く、そして何よりもクライアントに満足していただけるようなモノづくりができるようにすることを指すのです。

今後、製造業だけでなくすべての業種においてデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みは加速していくと思われます。

ぜひ、自社にはまだ早いとおっしゃらずに、製造業だけでなく他業界も含めて、DXの取り組み成功事例を収集してみてくださいね。

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