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AI活用のカギを握る「ディープラーニング(深層学習)」〜「機械学習」との関係性・活用時の課題を解説〜

入門
2019-11-18
「ディープラーニング(深層学習)」〜「機械学習」1

企業向け、一般消費者向けを問わず、すでに様々な製品やサービスでAIが活用されています。今日、これほどまでにAIの活用が進んだ背景には、インターネットの普及やそれに伴うIoT技術の進歩、コンピュータの処理速度向上など、様々な要因があります。

そして、このところAI領域に大きなインパクトを与えているのがディープラーニング(深層学習)です。

そこで、本コラムではディープラーニングの定義や活用例、活用時の課題などを解説していきます。

ディープラーニングとは?

今日では、自動車の運転(※1)や部屋の掃除など、これまで人間が行っていたことをAIが代替できるようになりました。

そして、人間の作業をAIが代替するには、AI自身が人間と同じように判断できる必要があります。

たとえば、自動車の運転の場合には、走行速度、道路標識、車線、ルート、ほかの自動車との距離など、膨大かつ多岐にわたるデータを瞬時に処理して周辺環境を認識したうえで、次のアクションを判断する必要があります。

一方で、従来型のシステムのようにすべての条件文をプログラム中に記載しておくという方法であらかじめAIに判断基準を与えておくというのは現実的ではありません。そのため、自動車の運転のような複雑な判断を求められる作業においてAIを活用する場合には、必然的にAI自身が学習することによって自ら判断基準を増やしていくことが求められます。

そして、その具体的な手法として用いられているのが「機械学習」です。機械学習を用いることで、従来のように人間がすべての条件を想定して条件文を記載する必要がなくなり、AI自身が新たな判断基準を獲得できるようになります。

>>機械学習については、こちらのコラムもご覧ください。

そして、機械学習の手法の1つとして登場したのがディープラーニングです。

ディープラーニングの根幹には、ニューラルネットワークの存在があります。ニューラルネットワークとは、人間の脳をモデル化した数理モデル(※2)です。そして、ディープラーニングは、深層学習という和訳が示している通り、多層のニューラルネットワークを組み合わせることでより人間に近い学習や判断を実現しようという試みです。
AIディープラーニング画像1
※1:2019年8月時点では、法規制の影響もあり、ブレーキの操作や高速道路の走行など、一部の運転操作に限って実用化されている
※2:現実の世界で発生する様々な事象を簡略化し、方程式などを用いて数学的に表現すること

機械学習とディープラーニング

ディープラーニングを用いない機械学習の場合、AIが判断基準を獲得するためには人間が指示を与える必要があります。一方でディープラーニングを用いた機械学習の場合、人間が指示を与えなくともAI自身が何らかの特徴を見出して判断基準を獲得することができます。

たとえば画像内の要素を特徴ごとに分類する場合、ディープラーニングを用いるか否かで次のような違いがあります。

【実行する作業】
「『シルバーの自動車』と『ブルーの自動車』が混在している画像」について、画像内の自動車を「シルバーの自動車」と「ブルーの自動車」に分類するとします。

【ディープラーニングを用いない機械学習】
あらかじめ人間が「自動車の色に着目して、色ごとに分類しなさい」という指示を出す必要があります。そして、その指示をもとに色のデータを学習することで画像内の自動車を分類します。

【ディープラーニングを用いた機械学習】
あらかじめ人間が何に着目するのかという指示を出す必要はありません。画像データを与えると、自ら自動車の「色」という特徴=着目点を自動的に見つけ出し、「シルバーの自動車」と「ブルーの自動車」に分類していきます。

結果として、機械学習では人間がある程度学習の方向性をコントロールできる一方で、ディープラーニングは場合によっては思わぬ方向に学習が進み、人間が意図しない結論に至る可能性もあります。

パナソニック社、Google社、Apple社…etc ディープラーニングの活用例

このような特徴のあるディープラーニングは、すでに様々な分野で活用されています。ディープラーニングの主な適用領域は「画像認識」「音声認識」「自然言語処理」の3つですが、サービス実用化レベルに達しているのは「画像認識」「音声認識」で、「自然言語処理(※3)」については一部を除き研究レベルの段階です。

※3:人間が日常生活において利用している日本語や英語といった言語をコンピュータに処理させる技術のこと

「画像認識」:画像・映像の分類や対象物の抽出

ディープラーニングを活用することで、画像・映像の分類や、画像・映像に含まれる対象物の抽出といった作業を自動化することができます。そのため、セキュリティ用途や娯楽用途など、画像・映像に関わる様々な製品・サービスで活用されています。

【例】
・パナソニック社の顔認証システム「FacePRO」
・Snow Corporation社のスマートフォン向けカメラアプリ「SNOW」

「音声認識」:スマートスピーカーやAIアシスタント

ディープラーニングを活用することで、AIは入力された音声の内容をより正確に認識できるようになり、かつ、より自然な内容で応答できるようになります。そのため、身近なところでは、スマートスピーカーやAIアシスタントと呼ばれる製品・サービスで活用されています。

【例】
・Google社のスマートスピーカー「Google Home」
・Amazon社のスマートスピーカー「Amazon Echo」
・Apple社のAIアシスタント「Siri」
・Google社のAIアシスタント「Googleアシスタント」

「自然言語処理」:自動翻訳

ディープラーニングを活用することで、「自然言語処理」の精度を向上させることができます。また、他言語に翻訳する際の精度向上にもつながります。前述したように「自然言語処理」はまだ研究レベルの段階ですが、Google社やNTTコミュニケーションズ社などはすでに自動翻訳サービスでディープラーニングを活用しています。

【例】
・Google社の自動翻訳サービス「Google翻訳」
・NTTコミュニケーションズ社の自動翻訳サービス「COTOHA Translator」

ディープラーニングの活用で課題となる「AI人材確保」「学習データの準備」

一方で、実際にディープラーニングを活用する際に課題となるのがAI人材の確保と学習データの準備です。

ディープラーニングを含むAI領域への注目度の高まりとともに、人材獲得競争は激しさを増しています。経済産業省の調査(※4)によると、2018年時点でAI人材の需給ギャップは3.4万人となっており、需要が供給を大きく上回っているという結果が示されています。

特に、ディープラーニングを活用するにはPythonなどによるプログラミングスキルはもちろん、線形代数、微積分や統計といった数学的知識、人間の脳構造に関する知識、データモデリングに関する知識などを兼ね備えた人材が必要となります。

そのため、人材獲得が非常に困難であると言わざるを得ません。

また、いくら高度なAIでも、適切かつ大量の学習データベースが整備されていなければ効果的な学習を行うことができません。AIを活用するためには、まずは有効なデジタルデータを蓄積することが必要になります。

ただ、敵対的生成ネットワークによりAIが自ら学習データを生成する「教師なし学習」や、人工知能同士の自己対局という「強化学習」をした「Alpha Go Zero」のように、学習データがなくてもAIが自律的に学習するような研究も進んでおり、データがボトルネックになってAI活用を諦めざるを得ないという事態は減少していくかもしれません。

※4:経済産業省「-IT人材需給に関する調査- 調査報告書」

ディープラーニングを活用した製品・サービスの開発をお考えの方へ

今回ご紹介したように、すでに国内においても、ディープラーニングを活用した新たな製品やサービスが続々と登場しています。一方で、最後に述べたように、ディープラーニングの活用にあたっては人材獲得が大きな壁となります。

「ディープラーニングを活用した製品・サービスのアイデアはあるが、それを実現するための人材を獲得できない…」

そのような方は、ぜひ、コアコンセプト・テクノロジーにご相談ください。

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