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【製造業DX】製品開発を進化させるコンカレントエンジニアリングとは?

技術情報
2022-05-20

激しい競争にさらされている昨今の製造業では、製品開発力の強化が急務となっています。そこで改めて注目されているのが、コンカレントエンジニアリングと呼ばれる開発手法です。コンカレントエンジニアリングは開発期間の短縮や効率化を図る手法であり、企業の競争力を高めていくと考えられています。

本コラムでは、コンカレントエンジニアリングの概要やメリット・デメリット、実現するための方法などをまとめて解説いたします

コンカレントエンジニアリングとは

コンカレントエンジニアリングは製品開発の手法の一つであり、複数のプロセスを同時並行で進めることを指します。たとえば、設計部門が設計を終える前に製造方法を検討する、生産技術部門の持つノウハウをフィードバックしながら設計を行う、といったイメージです。

コンカレントエンジニアリングとは

一般的な製品開発の手法はウォーターフォール型と言われ、上流から下流に向けて順番に開発を進めていきます。上流のプロセスが完了するのを待ってから下流のプロセスが動き出すため、確実に製品開発を進められますが、開発期間はどうしても長くなってしまいます。しかし、コンカレントエンジニアリングでは上流と下流のプロセスが同時並行で進んでいくので、開発期間を大幅に短縮することが可能です。

コンカレントエンジニアリングは、1980年代にアメリカで生まれた後に日本にも広まり、自動車業界や電機業界などが取り入れていきました。規模の大きな製品開発で特に効果を発揮するため、従来は大手企業しか導入していませんでしたが、昨今では製品開発の進化を図ろうとする中小企業でも導入が進んでおり、改めて注目が集まっています。

コンカレントエンジニアリングの特徴

コンカレントエンジニアリングには、メリットとデメリットの両方があります。それぞれどのような内容なのかをご紹介します。

コンカレントエンジニアリングのメリット

コンカレントエンジニアリングを導入するメリットは、QCD(納期・コスト・品質)の向上です。製品開発をスピーディに進めることで、顧客のニーズに合った製品を素早くリリースできるようになり、先駆者利益を得られます。また、製品開発の効率化によって開発コストを削減する、設計段階から製造方法や品質管理を意識することで品質を向上させる、といった効果も得られます。

変化の激しいこれからの時代においては、他社に先駆けて顧客のニーズに合った製品を提供していかなくてはなりません。そのためには、開発期間の長いウォーターフォール型の製品開発ではなく、コンカレントエンジニアリングの方が適していると考えられています。

コンカレントエンジニアリングのデメリット

コンカレントエンジニアリングのデメリットは、かえってQCDが悪くなってしまう恐れがあることです。たとえば、設計途中の情報をもとに調達部門や製造部門が動いていた場合に、大きな設計変更があるとそれまでの業務が無駄になってしまう可能性があります。

複数のプロセスを同時並行でミスなく進めるためには、異なる部門間での情報共有やコミュニケーションを密接に行う必要があります。そういった体制が整っていないのにコンカレントエンジニアリングを導入すると、失敗する可能性が高いことを覚えておきましょう。

コンカレントエンジニアリングを実現する方法

コンカレントエンジニアリングは高度な開発手法であり、簡単に実現できるものではありません。ここでは、コンカレントエンジニアリングを実現するための3つの方法をご紹介します。

情報共有を密接に行えるITツールの導入

複数のプロセスを同時並行で進めるコンカレントエンジニアリングは、情報共有を密接に行わなければ成り立ちません。そこで不可欠になってくるのが、次のような各種ITツールの活用です。

  • 2DCAD・3DCAD(コンピュータ支援設計)
  • CAM(コンピュータ支援生産)
  • CAE(コンピューター支援解析システム)
  • PDM(製品情報管理システム)
  • PLM(製品ライフサイクル管理システム)

これらのITツールを活用すれば製品開発のデジタル化が可能になり、情報共有や共同作業がしやすくなります。

特に、PDMやPLMは設計データやBOM(部品表)といった製品に関するデータを一元管理し、情報共有することを目的としているシステムです。これらを導入することで、コンカレントエンジニアリングの実現が近づくといえます。

担当者の知識レベルやスキルの向上

コンカレントエンジニアリングでは、製品開発の初期段階からあらゆることを想定していく必要があります。たとえば、設計者は製造方法や原材料の調達方法を考慮した上で、量産化しやすい設計を行わなくてはなりません。そのため、設計者にはこれまで以上に幅広い知識が求められることになります。また、他部門の担当者への説明や調整が格段に増えるため、コミュニケーションスキルも高めていかなくてはならないでしょう。

このように、コンカレントエンジニアリングを実現するためには各担当者の知識レベルやスキルの向上が不可欠です。製品開発の手法を切り替えていくためには、それなりの時間がかかることを覚えておきましょう。

開発体制の再構築

コンカレントエンジニアリングは、従来のウォーターフォール型の開発手法とは大きく異なります。そのため、部門間の連携やコミュニケーションがしやすい開発体制を再構築しなければなりません。

上述したITツールを活用しつつ、製品開発の手順を整備して設計レビューや進捗確認の場を設けるようにしましょう。その際に、最終的な意思決定を誰がどのように行うかといったルール化も重要です。また、イレギュラーチェックリストで事前に問題点を洗い出しておき、手戻りを防ぐといった工夫も求められます。

コンカレントエンジニアリングの先にあるもの

コンカレントエンジニアリングが人に担っているもの

コンカレントエンジニアリングは、単なる業務効率化や期間短縮だけではなく、更に高度な業務プロセスの構築につながっていきます。コンカレントエンジニアリングの推進により部門間の連携や、担当者のレベルを上がっていくと、手戻りの減少をはじめとして業務効率化は勿論、より高い目標設定を設定でき、より大きなプロジェクト、複雑で技術レベルの高い案件の推進にもつながります。

また、その推進をさらに強固に、効率的に行うために業務プロセス自体の改善、革新が実現していきます。1部門、1製品のラインだけではなく、企業としての生産性、ものづくりとしてのパフォーマンスが進歩していくことにつながります。

コンカレントエンジニアリングの導入を検討している企業様へ

今回は、製品開発の手法の一つであるコンカレントエンジニアリングについてご紹介しました。コンカレントエンジニアリングの実現によって、製造業の競争力は格段に高まっていくと考えられています。自社の製品開発に課題を感じておられる方は、本コラムを参考にしつつ、コンカレントエンジニアリングの導入を検討していただければ幸いです。

CCT(コアコンセプト・テクノロジー)では、コンカレントエンジニアリングの実現に役立つPLMプラットフォーム「Aras Innovator」の導入支援を行っています。「Aras Innovator」は製品の企画・設計から製造、納品後のアフターサービスに至るまでのすべての製品ライフサイクルのデータを集約できるシステムであり、製品開発力や部門間連携の強化に役立ちます。また、IoT/AIソリューションの「Orizuru」も提供しており、3D類似検索機能による過去のノウハウの有効活用や生産設備からのデータ収集も提案が可能です。

CCTは、製造業のお客様がコンカレントエンジニアリングを実現できるようにさまざまなソリューションを提供しています。ご興味のある方は、お気軽にこちらよりお問い合わせください。

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