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IoTとは?バズワードの歴史と技術要素

入門
2019-11-04
IoTとは?バズワードの歴史と技術要素

ここ数年、テレビやネットなどで「IoT」という言葉をよく見かけるようになりました。IoTはビジネスにおいて大きな役割を担いつつありますが、グローバルな視点で見ると日本のIoTは後れをとっているとの見方もあり、日本でも経済産業省を中心に国を挙げてIoTへの取り組みを推進しています。しかしながら、流行っているからと安易に飛びつくのではなく、IoTについて正しく理解したうえで導入していく必要があります。

本コラムではIoTの定義や歴史、IoTに必要な技術要素、IoTとの親和性が高い製造業での活用方法について解説していきます。

IoTの定義と歴史

「IoT」は「アイオーティ」と読みます。「Internet of Things」の略で「モノのインターネット」と訳されています。ここ数年でよく使われるようになった言葉ですが、実は20年近く前から存在していた言葉であり、概念です。

最初に「IoT」という言葉を用いたのは1999年、マサチューセッツ工科大学のAutoIDセンサー共同創始者であるケビン・アシュトン氏でした。当時のRFID(バーコードでタグを1枚1枚スキャンするのではなく、電波で複数タグを一気にスキャンするシステム)による商品管理システムをインターネットに例えてこう呼んだのです。

当時から「いつでもどこでもモノとモノが繋がる」といったIoTの概念はあったのですが、そのテクノロジーを実現するための高い技術とコストがネックとなり現在のように世の中に広がることはありませんでした。

さらに2000年頃には機械と機械の通信を意味する「M2M(Machine to Machine)」というキーワードが台頭し始め、IoTはその陰に忘れ去られた存在となってしまったのです。キーワードとしてはM2Mが目立った時代でしたが、概念としてはM2MもIoTの一つの要素です。IoTがモノとモノとの通信から人へデータを受け渡すところまでを含めた概念であるのに対し、M2Mは機械と機械でデータのやりとりをするシステムの部分を指した言葉だからです。

その後、2008年から2009年の間に全人類の人口よりも多くの機器がインターネットに接続されるという転換期を迎えます。そして2012年、ドイツが国家戦略の中で「Industry4.0」を掲げます。製造業の工場にIoTを導入することでドイツ国内の製造業を守ろうという取り組みでしたが、この動きが世界的な「Industry4.0(第四次産業革命)」へと発展していきます。Industry4.0の後押しを受け、その間のクラウドやビッグデータ分析技術の発達もあり、今度こそIoTが世の中に広まっていったのです。

IoTを構成する技術要素

IoTとは?バズワードの歴史と技術要素

IoT は「モノのインターネット」であることは先に述べましたが、それでは「モノのインターネット」を実現するにはどのような技術要素が必要なのでしょうか。

モノとモノを繋いでデータをやり取りするためには何かしらのセンサーやバーコード等を用いてモノの状態を取得する技術が必要です。次に、デバイスとコンピュータ、コンピュータ同士をネットワーク上につなげるための通信技術、ネットワーク上でつながったデータを収集するための技術が必要です。例えば、Amazon Web Serviceをはじめとするクラウドコンピューティングを利用してデータを収集し保存しておけば、必要な時に必要なだけサーバを利用することができるので低コストかつスケーラブルな運用が可能になります。

IoTで収集されるデータは、先ほど述べたセンサーから取得するデータだけではなく、一般のユーザーが発信するデータも含まれます。スマートフォンとSNSの普及によってお店や商品の感想や動画などがリアルタイムでインターネット上に投稿されるようになり、ネットワーク上のデータ量は日々増加しており、これらのデータを活用するための技術も必要です。ビッグデータアナリティクス、例えばAI(Artificial Intelligence/人工知能)で高度な分析をすることにより、これまで活用しきれなかったデータを活用することができるようになりました。

また、昨今のデータ量増加を受けて、データの保存先がクラウドであることのデメリットも出てきました。膨大に膨れ上がったデータをスピーディに分析しフィードバックするには、全データをクラウドに収集してから処理するのでは遅く、デバイス側で直接処理を行った方が効率的です。さらに、デバイス側でデータを処理すれば、機密データがローカルに保持されるというメリットもあります。

このデバイス側でデータを処理する技術を「エッジコンピューティング」と言います。エッジとは「端っこ」を意味する言葉で、エッジコンピューティングではエッジデバイス(モノにあたるもの)とゲートウェイ(エッジデバイスをインターネットにつなぐための中継装置)を利用してリアルタイムなデータの分析やフィードバックを行います。

IoTシステムでは、IoTデバイスとクラウド間でデータのやり取りをする際にはオープンなネットワークを介することが多いため、外部からの不正アクセス、通信傍受、データの改ざん、なりすまし等の脅威に晒されており、セキュリティ技術も重要な要素となっています。

製造業におけるIoT

IoTとは?バズワードの歴史と技術要素

続いて、Indutry4.0のコンセプトでもある製造業におけるIoTについて考えてみましょう。
IoTが特に製造業において必要とされているのは、製造ラインの機械化が進んでいるとはいえ依然として労働集約型産業であることや、人よりも機械からの方がデータを取得しやすく、且つ機械化された工場ではデータを取得することによる効果が大きいため、IoTの導入によって大幅なコストの削減や効率化が期待できるからです。そしてそれはドイツや日本のように製造業に支えられている国にとっては、製造業の優位性を確保し国家経済を発展させることにつながるといっても過言ではないでしょう。

それでは、IoT化された工場では何が起こっているのでしょうか。
エッジデバイスである工場内の工作機械で使用する装置やロボット、温度や振動などのセンサーをネットワークに繋ぎます。収集されたデータはネットワークを通じてゲートウェイに送られます。ゲートウェイは異なるプロトコルのネットワーク同士を中継するルータのようなものです。ゲートウェイには高性能なCPUと大容量のメモリが搭載されており、ここに処理機能を持たせることで必要な情報のみを効率的にクラウドに送ることが可能となります。

必要なデータのみをクラウドに送るので、ネットワークへの負荷や通信遅延を減らすことができます。詳しく分析が必要なもの、例えば異常を検知した場合はそのデータをクラウドに送り、分析することができます。クラウドには、複数の機器や現場のデータが蓄積されているため、それらのデータを活用して分析することができるのです。また、クラウドに送る前に現場側でデータを処理できることから、機密情報、例えば顧客情報などを保護してからクラウドに送ることも可能になり、セキュリティ面でも安全と言えます。

このように、工場内の装置やロボットから得られたデータを活用して稼働状況をリアルタイムで把握し、異常を事前に検知することで、異常が起きてから対応するよりも大幅にコストと時間を削減することができますし、熟練技術者の経験則に頼っている状態からも脱却することができるのです。

IoTを自社に導入するには

流行りのIoTを導入してコスト削減や業務効率化を図りたいと考えている方は多いけれど、何から始めればよいのかわからないという方は多いと思います。

データを取得するためにセンサーを取り付けなければならないのか?
データを保存するためにクラウドサービスを契約しなければならないのか?
そうは言っても効果がわからないうちから導入コストをかけたくない。

コアコンセプト・テクノロジーでは、豊富な製造業の知識を元に、製造業向けIoT/AIソリューション「Orizuru」を提供しております。IoTを活用したシステムやソリューションの開発や導入支援を得意としておりますので、まずは現状を分析し、効果のありそうな部分から必要最小限にIoTを導入していくことも可能です。IoTの導入・活用をご検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

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