ARTICLE

デジタルトランスフォーメーション(DX)に失敗してしまう3つの理由

入門
2020-04-03
デジタルトランスフォーメーション(DX)に失敗してしまう3つの理由

DXの取り組みは95%が失敗に終わっている

日本だけでなく、世界中の企業が、デジタルトランスフォーメーション(DX)に多額の資金を投じて取り組み、失敗したり、道半ばで頓挫してしまったりしています。

「デジタル・イノベーション・カンファレンス2019」において、DX研究者であるIMDのマイケル・ウェイド教授は、「全世界で取り組まれているデジタルトランスフォーメーションの95%は失敗に終わっている」と発表し、世界中に衝撃を与えました。

ITに明るいリーダーが陣頭指揮を執り、多額の投資を行って取り組んでいるデジタルトランスフォーメーションが失敗してしまう理由はどこにあるのでしょうか?

デジタルトランスフォーメーション(DX)に失敗してしまう理由画像1

失敗理由1:経営者がDXの意味を本質的に理解していない

もっともありがちな失敗事例が、「経営者がデジタルトランスフォーメーションの成功事例を聞き、本質的な理解をしないまま取り組みを決定してしまう」というものです。

デジタルトランスフォーメーションとは、活動をシステム化してデータを採取する、ということではありません。大きな意味では、会社全体のビジネスへの取り組み方を「変革」することなのです。

経営者がDXの概念に共感し、外部企業の成功事例を聞き、自社でもDXを実現したいと思ったならば、まず「デジタルトランスフォーメーションとは何か?」ということをしっかりとご自身の言葉で社員に伝えることができるようになるまで、頭の中をブレイクダウンしてください。明確な言葉で語れるようになるまでは、DXの取り組みはスタートすべきではないでしょう。

例えば、ある製造業A社では社長から、「わが社はこれからDXに取り組む。これまでは製品を売ることにより対価を得ていたが、今後は製品を納品した後に得られるデータを販売することを業容に入れていく。そのために、システム投資を行い、あらゆる活動をデータ化していく。顧客数はこれまでの2万社から10万社へと10年以内に伸ばす」と宣言がありました。

生産、販売、物流、アフターメンテナンスや顧客との取引データ、部門間連携などをすべてデータで一元管理することで、「モノを売る会社」から「モノを売る+テクノロジーを駆使してデータを販売する会社」へと変革し、顧客に新しい価値を提供することで顧客数を5倍にするというのです。

A社では、この社長のDX定義づけと宣言により、「顧客にとって価値のあるデータとは何か?自社がそのデータを採取するために取り入れるべきシステムやサービスはどのようなものか?DXはまずどの部門の何から着手すべきなのか?」などを現場が考え、上申していくことで、DXの実現を現実的なものにしようとされています。

デジタルトランスフォーメーションに取り組みたいと考えられている経営者はまず、「自社にとってDXとは何をすることなのか?」をしっかりとご自身の言葉で語れるよう準備なさることをおすすめします。

【参考】デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?企業の課題解決事例をご紹介

デジタルトランスフォーメーション(DX)に失敗してしまう理由画像2

失敗理由2:デジタル化のベースが出来上がっていない

デジタルトランスフォーメーションに取り組むためには、まず大前提として「デジタル化」が進んでいなければなりません。例えば製造現場において、工場長や作業員の経験・勘・根性のみで生産管理をしてきた場合は、急にデジタルトランスフォーメーションに取り組めという号令が出たところで、対応のしようがないでしょう。

まだデジタル化がすすんでいない製造企業は、紙ベースで管理をしていた帳票や部品札をすべてデジタル管理に変えて、現場でも本社でも一括管理ができるようにする、ということから始めることをおすすめします。

例えば、自社工場が行っている部品発注の稟議起案と承認を紙ベースでなくデジタルで管理するようになれば、「Aという部品を1,000個調達する際にどの会社がいくらで見積もりを提示してきたか」という購買データを本社で蓄積・分析・共有することができるため、次にどこかの工場長がAを発注するときに「最も良い条件を出してくれるだろう企業」に一番に問い合わせをすることができるようになります。

少し分かりづらい言葉ですが、これまで紙ベースやアナログで行ってきた業務をデジタル化することを「デジタイゼーション」、デジタル化したデータを活用してビジネスの効率化や高収益化などを図ることを「デジタライゼーション」といいます。

デジタルトランスフォーメーションに取り組むためには、最低限のデジタイゼーション(デジタル化)をすすめ、社員にその素地がある状態を作ってから行うべきでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に失敗してしまう理由画像3

失敗理由3:新システムの導入がDXのゴールと勘違いしている

デジタル化がある程度すすみ、DX導入の素地ができている企業では、DX実現に向けて新しいシステムの導入を検討されることでしょう。

でも、この「新システムを導入すること」がDXだと勘違いしてしまうことのないようにお気を付けください。SIerから提案されたシステム要件定義を確認して、「プロに任せておけば安心だろう」と丸投げをしてしまうと、大抵は失敗してしまいます。

多くの企業では基幹系システムが部署・部門ごとに存在し、かつ長期間・複数回にわたる改修を経てシステム自体がブラックボックス化してしまっています。経済産業省が2018年に発表したDXレポートにおいても、「2025年には老朽化した基幹系システムが多くの問題を引き起こし、毎年12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

このブラックボックス化した基幹系システムを刷新するのは非常に困難です。自社の業容、顧客特性、顧客の要望、部門間や他の基幹系システムとの連携など、ありとあらゆることを把握したうえで、システムを構築しなければならないからです。

また、自社のことだけでなく、クラウドサービスやIoT、AI、RPAなどの最新デジタル技術を理解・把握しながら、自社にそれらのデジタル技術をどう生かせるのか、ということを考えなければなりません。

その意味では、「外部のシステム会社に基幹系システムの刷新を丸投げしてしまう」のではなく、「自社と一緒にシステムの刷新を行ってくれる伴走型のシステム会社」をパートナーに選ばれることをおすすめします。

冒頭でお伝えした通り、残念ながら多くの企業がデジタルトランスフォーメーションに失敗してしまっています。同じ失敗をしないためにも、まずは経営層が「デジタルトランスフォーメーションとは何か?」をしっかりと定義し、ご自分の言葉で語れるようにすると共に、自社のデジタル化を1日でも早く進めることをおすすめします。

【参考】入門編⑤:デジタルトランスフォーメーション(DX)で実現する新しいビジネスモデル DXで何を目指すのか?

伴走型のシステム開発にご興味がある方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。

無料でお読みいただけるお役立ち資料

pagetop