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機械学習とは?AI・ディープラーニングとの関係と機械学習導入時のポイントを解説

入門
2019-11-05
機械学習とは?AI・ディープラーニングとの関係と機械学習導入時のポイントを解説

企業のウェブサイトはもちろん、ニュースや新聞などでも機械学習という用語を目にする機会が多くなりました。

一方で、その定義やAI・ディープラーニングといった関連用語との違いを明確には理解できていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで本コラムでは、AI・ディープラーニングとの関係を踏まえたうえで機械学習の定義を解説します。また、実際に導入する際に押さえるべきポイントを3つ紹介します。

機械学習の定義。AI・ディープラーニングとの関係は?

AIとは?

AI(Artificial Intelligence/人工知能)は、1950年代に世に登場した用語です。人工知能という日本語訳が用いられているように、端的に言えば「人間のように考えることができるシステム」の総称です。ただし、こちらのコラムで詳述しているように明確な定義が存在しない用語でもあります。

そして、「機械学習」と「ディープラーニング」はAIの研究が進むなかで生み出された技術です。

機械学習とは?

私たち人間は、前提となる情報をもとに、何らかの判断基準にしたがって行動します。そして、AIを「人間のように考えることができるシステム」とするならばAIにも行動(=処理)の前提となる判断基準が必要です。

AIが世に登場した当初、このような判断基準は人間の手で設計する必要がありました。一般的なシステムのようにプログラムの中に漏れなく条件文を記載するといった形です。

一方で、テキストや音声でコミュニケーションを図ったり、監視カメラの映像から異常を検知したりといった複雑な処理を行うには、膨大な数の判断基準が必要となります。そして、それらを条件文として漏れなく記載しておくというのは不可能です。

そこで、AIの研究者たちは人間の手に頼らずにAIが自ら判断基準を増やしていくことができる手法を考えました。その結果生み出されたのが機械学習です。機械学習を搭載したAIは、与えられた大量のデータを学習することによって自ら判断基準を増やし、それにしたがって最適な処理を実行できるようになります。

そして、機械学習はすでに身近な製品やサービスで活用されています。その一例が、GmailやYahoo!メールといったメールサービスのフィルタリング機能です。フィルタリング機能とは、スパムメールを「迷惑メールフォルダ」へと振り分ける機能です。多くの場合にはフィルタリング機能には機械学習が用いられており、件名・送信元メールアドレス・本文といった各メールの要素や、「通常の『受信フォルダ』に格納されたメールを『迷惑メールフォルダ』に移動する」といったユーザーによる過去の操作などを学習したうえで受信したメールを自動的に振り分けています。

AI機械学習画像1

ディープラーニングとは?

ディープラーニング(Deep Learning/深層学習)は機械学習で用いられている手法の1つです。具体的には、ニューラルネットワークを多層にすることで従来の機械学習と比べてより人間に近い学習を実現しようという試みです。ニューラルネットワークとは、人間の脳内に多数存在している神経細胞(ニューロン)とそのつながりを数理モデル(※1)で表現したものを言います。

従来の機械学習の場合、AIが新たな判断基準を獲得するためには判断の根拠となるデータの特徴をあらかじめ人間の手で定義づける必要がありました。しかし、ディープラーニングの場合、人間が指示を与えなくともAIが自ら特徴を判別して判断基準を増やしていきます。

たとえば、画像に含まれる要素を特徴ごとに分類する場合、従来の機械学習ではあらかじめ人間が分類にあたっての特徴を指示する必要があります。「自動車の色に着目して、色ごとに分類しなさい」といった形です。一方で、ディープラーニングではこのような指示を与える必要はありません。自ら自動車の「色」という特徴を見つけ出して分類していくことができるからです。

 

【AI・機械学習・ディープラーニングの関係を整理】

  • AI

人間のように考えることができるシステムの総称。

  • 機械学習

AIで用いられている手法の1つ。様々なデータを投入して学習を繰り返すことでAI自身が新たな判断基準を獲得できるようにするというもの。

  • ディープラーニング

機械学習で用いられている手法の1つ。人間の脳をモデル化した数理モデルであるニューラルネットワークを多層にすることで、より人間に近い学習や判断を実現するというもの。

>>機械学習とディープラーニングの違いについては、こちらのコラムもご覧ください。

※1:現実の世界で発生する様々な事象を簡略化し、方程式などを用いて数学的に表現すること

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機械学習を導入する際に押さえるべき3つのポイント

そして、実際に機械学習を導入する際には次に挙げた3つのポイントを押さえることが重要です。

ポイント1:用途を明確にしたうえで最適な製品を選定する
今日では、機械学習を実行することができる様々な製品が存在しています。

大規模なものでは、NECグループの「NEC the WISE」のような「自然言語処理」「音声認識」「画像認識」といった複数の技術を組み合わせた統合的なAI製品があります。また、FRONTEO社が開発したテキストデータの解析に特化したAI製品「KIBIT」のように特定の用途に最適化した製品も存在します。そのほかにも、ソニー社の「Nural Network Console」のようにドラック&ドロップによる直感的な操作で機械学習のプログラムを設計できることを売りにしている製品も開発されています。あるいは、小規模であれば無料で提供されている簡易的な製品を活用するというのも選択肢の1つでしょう。

見方を変えれば、このような数多くの製品の中から最適なものを選定しなければならないということです。そのためには、まずは機械学習の用途を明確にすることが重要です。用途によって、最適な製品が異なるからです。

たとえばテキストの生成や校正といった業務の自動化・効率化を目指す場合にはテキストマイニング(※2)に強みのある製品を選択すべきでしょう。また、AIによるコールセンター業務の代替を目指す場合には音声認識や日本語による自動応答といった機能が優れているAI製品が適していると言えます。

※2:大量のテキストデータから必要な情報を抽出すること

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ポイント2:用途に沿った学習データを用意する

製品を導入したからといって、すぐに機械学習によって想定通りの処理を実行できるというわけではありません。まさに人間と同様に学習する期間が必要になります。そのため、まずは実際の用途に沿った学習データを用意しましょう。

たとえばドイツの大手自動車メーカーであるアウディ社は、プレス工場で製造する部品に発生するひび割れ(クラック)を自動検知する機械学習を活用したシステムを開発。その際、開発チームは数百万枚にものぼるサンプル画像を収集し、それらをピクセル単位で確認して微細なひび割れをマークするという気の遠くなるような作業を経て学習データを用意しました。

また、用意した学習データはそのまま機械学習で利用できるとは限りません。必要に応じて、文字データや数値データに変換したり、学習の妨げとなるような異常値を排除したりといったいわゆるデータクレンジングを行わなければなりません。
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ポイント3:十分な学習期間を設けて精度を高める

学習データを準備できたら、実際に導入した製品にデータを投入して学習を開始しましょう。そして、前述した通りおそらく学習を開始した当初は想定通りの処理を実行できないはずです。

学生時代を思い出してみてください。ほとんどの方が、難しくて解くことができなかった問題であっても学習を繰り返すうちに解けるようになったといった経験をしているのではないでしょうか?あるいは仕事においても、類似する業務での経験を重ねるうちに何らかの課題に直面した際に自ら解を導き出せることが多くなっていくというのはよくあることです。

これは機械学習においても同じです。学習データを用いた継続的な学習によって、処理の順番や使用するアルゴリズムなどをチューニングしながらその精度を徐々に高めていく必要があります。そして、やはり人間と同じく、複雑な処理を要する用途の方がより長期にわたる学習期間が必要になります。そのため、用途に応じた十分な学習期間を設けて処理の精度を高めるようにしましょう。

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機械学習の導入には外部パートナーの協力が欠かせない

「ポイント1」で述べたように今日では機械学習を実行できる様々な製品が存在しています。一方で、機械学習の導入にあたってはそれを実行するためのシステムを自社開発するというのも選択肢の1つです。

また、「ポイント2」「ポイント3」で述べたように実際に機械学習の運用を開始する前には学習データを用いた学習を行う必要があります。また、当然実運用を開始した後も導入した製品にデータを投入し続けなければなりません。そういった意味で、機械学習の導入にあたってはデータを収集できる基盤を整備することが欠かせません。

一方で、はじめて機械学習を導入する場合には、システムを自社開発したり、データ基盤を整備したりといったことは非常にハードルが高い取り組みと言えます。そのため、やはり機械学習に関する専門的な知見をもった外部パートナーの協力が欠かせないでしょう。

コアコンセプト・テクノロジーでは、製造業向けIoT/AIソリューション「Orizuru」の開発を含む機械学習を活用したシステムやソリューションの開発実績が豊富です。そのため、貴社の課題にあわせて新たなシステムの開発やデータ基盤の整備といった機械学習の導入を伴走支援します。

機械学習の導入をご検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

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