ダイキン工業

DXを推進するにあたって、デジタル人材の不足は大きな課題です。さまざまな企業が試行錯誤して人材育成を進めており、ダイキン工業もそのうちの1社です。抜本的な対策として、ダイキン情報技術大学を大阪大学の全面協力のもと社内に立ち上げ、2017年より運営しています。対象社員にAIの基礎知識や活用法などを勉強させる同大学は、DXを進める上でどのように役立っているのでしょうか。

今回は「データ活用によるサプライチェーン革新 生産ロス”ゼロ”を目指すダイキン工業のDX」をテーマに、コアコンセプト・テクノロジー(CCT)CTOでKoto Online編集長の田口紀成氏と、CCTのアドバイザーで東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリストの福本勲氏の2人が、ダイキン工業のDX戦略推進準備室課長でありテクノロジーイノベーションセンター課長の徳隆宏氏を招いて、2023年11月22日にウェビナーを開催しました。今回は、その内容を再構成したダイジェストをお届けします。

福本勲氏(東芝)、徳隆宏氏(ダイキン工業)、田口紀成氏(コアコンセプト・テクノロジー)
左より福本勲氏(東芝)、徳隆宏氏(ダイキン工業)、田口紀成氏(コアコンセプト・テクノロジー)
徳 隆宏氏
ダイキン工業株式会社 DX戦略推進準備室 課長 兼 テクノロジーイノベーションセンター 課長
2021年ダイキン工業入社(テクノロジーイノベーションセンター主任技師)し、データ活用テーマの技術支援を担当。同年にDX戦略推進準備室 課長に着任。ものづくり・データマネジメント・生成AIなど主にテクノロジー面の潮流のマクロ把握と中長期テーマの企画推進を担当。
2005年、大阪大学大学院情報学研究科情報ネットワーク学専攻卒。2011年まで外資系SIerでの製造業など様々な業界向けのシステム構築や品質保証のマネジメントやコンサルティングを経験。その後関西の電子機器メーカーに転職し、製造現場の制御機器(PLC)の商品開発・システム開発や、AI・IoT技術の研究や活用の推進を担当。
2018年にAI時代の品質の在り方を産学の実務者で検討し世にガイドラインを打ち出す任意団体QA4AI(AIプロダクト品質保証コンソーシアム))の発起人の一人として立ち上げ。生成AI領域のワーキンググループのリーダーとしても活動。
福本 勲氏
株式会社東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
アルファコンパス代表

1990年3月、早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長を務める。また、企業のデジタル化(DX)の支援と推進を行う株式会社コアコンセプト・テクノロジーのアドバイザーも務めている。主な著書に「デジタル・プラットフォーム解体新書」「デジタルファースト・ソサエティ」(いずれも共著)がある。主なWebコラム連載に、ビジネス+ITの「第4次産業革命のビジネス実務論」がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。
田口 紀成氏
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 取締役CTO 兼 マーケティング本部長
2002年、明治大学大学院 理工学研究科修了後、株式会社インクス入社。2009年にコアコンセプト・テクノロジーの設立メンバーとして参画し、3D CAD/CAM/CAEシステム開発、IoT/AIプラットフォーム「Orizuru」の企画・開発などDXに関する幅広い開発業務を牽引。2015年に取締役CTOに就任後は、ものづくり系ITエンジニアとして先端システムの企画/開発に従事しながら、データでマーケティング&営業活動する組織/環境構築を推進。
*3人の所属およびプロフィールは2023年10月現在のものです。

目次

  1. 空調機の機能よりも快適な空気の提供を重視
  2. デジタル人材育成を担う情報技術大学
  3. 実習では新入社員と部門の「手応え」が大切
  4. 「見える化」「予知・予測」で止まらない工場を作る
  5. デジタルだけでなく現場の経験も活かして課題を解決
  6. 生成AIやデジタルツインによる新しいコミュニケーション