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【最新事例を紹介】国内企業・自治体は業務効率化を目指して先端テクノロジーをどのように活用しているのか?

入門
2019-11-05
国内企業・自治体は業務効率化を目指して先端テクノロジーをどのように活用しているのか?

今日では多くの国内企業・自治体が様々なITシステムを駆使して業務効率化に取り組んでいます。そして、一部では様々な先端テクノロジーを活用することでさらなる業務効率化を目指す取り組みが加速しています。

そこで、本コラムではRPA、AI、IoTといった先端テクノロジーを活用して業務効率化に取り組んでいる国内企業・自治体の事例を紹介します。

国内企業・自治体における先端テクノロジーを活用した業務効率化の取り組み事例

「RPA」を活用した業務効率化の取り組み事例

RPA(Robotic Process Automation)は、人間のようにコンピュータを操作することができるソフトウェアロボットによって様々な業務を自動化することができる先端テクノロジーです。特にマニュアル化することが容易な定型業務はソフトウェアロボットのプログラムを実装しやすいのでRPA化に適しています。データの入力や帳票類の作成といった業務はその代表例と言えるでしょう。

一方で、RPAの活用によって効率化を期待できるのはこれらの業務だけではありません。

たとえばKDDIエボルバ社は2019年9月に、同社の運営する西日本物流センターと東日本物流センターで受託しているスマートフォンやタブレット、データカードのキッティング(※1)作業についてRPAによる自動化を実現したと発表しました。同社の調べによるとiOSのキッティング作業自動化は世界初であり、Androidは業界初だということです。なお、RPA導入後10カ月目には平均でキッティング作業全体の64%を自動化できるという予測も示しています。

ブラザー工業社は、2019年9月にRPAを活用した業務効率化に関する方針を発表しました。その内容は、2021年3月までにRPAを全社導入して年間総労働時間を70万時間削減することを目指すというものです。これは、同社における現在の年間総労働時間の11割にあたります。なお、その前段階として同社ではすでに2019年3月期に本社の人事、経理、特許の3部門でRPAを試験導入しており、2020年3月期にはプリンティング・アンド・ソリューション事業本部(※2)にも導入する方針を固めています。

※1:PCやスマートフォンの導入時に実施するセットアップ作業のこと
※2:プリンター、複合機、ラベルライター、ラベルプリンター、スキャナーなどの開発・販売を行っている事業部門

業務効率化事例画像1

「AI」を活用した業務効率化の取り組み事例

AI(Artificial Intelligence/人工知能)は、言語の認識や動作の制御といった人間が行う振る舞いの一部を人工的に再現する先端テクノロジーです。Apple社のAIアシスタント「Siri」やアイロボット社のお掃除ロボット「ルンバ」など、すでに身近な製品・サービスで利用されています。

そして、このところ業務効率化を目的にAIを活用する動きが広まりつつあります。

一例として、みずほ銀行は2019年4月から外国送金業務の効率化を目的としたAI搭載システムの運用を開始しています。これまで同行では担当者が外国送金依頼書にしたがって仕向先銀行(※3)を判定していました。外国送金依頼書は、外国への送金時に送金人が記載する振込用紙のようなものであり、SWIFTコード(※4)、銀行名、都市名、通貨、金額などが自由文で記載されています。そして、送金にあたってはそれをもとに担当者が複数の資料を参照しながら仕向先銀行を判定しなければならないため、大量の送金依頼を処理するのに時間を要していました。

そこで、同行は日本IBM社と共同で同社のAIプラットフォームである「IBM Watson」を活用して外国送金仕向先判定支援システムを開発。このITシステムは、自然言語処理を活用して外国送金依頼書に自由文で記載されている内容を正確に把握したうえで仕向先銀行を自動判定できるというものです。そのため、外国送金業務の大幅な効率化につながることが期待されています。

AIを活用した業務効率化に取り組んでいるのは、企業だけではありません。自治体もその取り組みを加速させています。

たとえば奈良県は2019年9月に、同年10月から大和郡山市や宇陀市など県内5市町と連携して「AIチャットボット」の運用を開始することを発表しました。この「AIチャットボット」は、チャットツールである「LINE(ライン)」上に寄せられた市民からの問い合わせに対してAIが24時間自動で回答するというものです。このAIチャットボットによって、市民からの問い合わせ対応を担当している職員の業務効率化が期待されています。

しかしながら、AIの活用には多額の開発費を要する場合が少なくないため、特に小規模自治体は費用を捻出することが難しいという実情もあります。そこで、総務省は2019年9月に複数市町村が共同でAIを導入することを促す方針を決めました。具体的には、2020年度に同省が数千万円を上限として費用を捻出したうえで全国7カ所程度においてモデル事業が行われます。また、「自治体AI活用ガイドブック(仮称)」を取りまとめて自治体におけるAI活用を促すことも発表しました。

※3:為替業務において、送金人から送金や振込の依頼を受けた金融機関のこと
※4:SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication/国際銀行間金融通信協会)が提供している国際送金システム上で相手方の銀行を特定するために用いられる金融機関識別コードのこと
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「IoT」を活用した業務効率化の取り組み事例

IoT(Internet of Things/モノのインターネット)は、様々なモノをインターネットに接続することでビッグデータを含む多岐にわたる情報の収集・分析を実現する先端テクノロジーです。製造物の検品や設備・建物の点検といった分野ですでに積極的に活用され始めています。

たとえば、2019年5月に東京建物社はIoT機器の無線通信に関する実証実験を行ったことを発表しました。その内容は、オフィスビル室内の温度、湿度、照度、共用スペースの利用状況を遠隔監視するというものです。具体的には、「東京建物本社ビル」7階に温湿度センサー、照度センサー、人感センサーおよび中継器を設置し、各センサーが取得したデータを約230メートル離れた「東京建物八重洲ビル」屋上の基地局アンテナに伝送してクラウド上のサーバーに蓄積するという形で実施されました。

実証実験の結果、データの損失をともなわない完全なデータ伝送が行われたことがわかりました。そのため、同社では同社が管理しているビルについて段階的な通信環境の整備を行い、2019年内に日本橋、八重洲、京橋エリアにおける通信網の拡大を目指すという方針を示しています。これによって、ビル管理者が館内を巡回しながら点検していた設備機器の遠隔点検が可能となり、ビル管理業務の大幅な効率化が実現しそうです。
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先端テクノロジー活用による業務効率化は段階的に進めるのがベター

今回ご紹介したように、国内企業・自治体の間でもすでに先端テクノロジーを活用した業務効率化への取り組みがスタートしています。一方で、いずれの事例についても、仮に将来的に全社導入を見据えている場合であってもまずは適用する業務や規模を限定して試験的に先端テクノロジーを活用していることがわかります。先行している事例が少なく、まだその効果が未知数である以上、当然の選択とも言えるでしょう。

本コラムをお読みいただいている皆さんの所属企業においても実際にこれらの先端テクノロジーを活用して業務効率化を目指すという場合には、実証実験を繰り返しながら段階的に導入していくのがベターと言えるのではないでしょうか?その場合には、先端テクノロジーを活用したITシステムを段階的に開発していく必要があります。そのため、従来のウォーターフォール型(※5)でのITシステム開発では対応が難しく、アジャイル型(※6)でのITシステム開発が求められます。

コアコンセプト・テクノロジーはアジャイル型のITシステム開発経験が豊富です。また、製造業向けIoT/AIソリューション「Orizuru」の開発を含めて、RPA、AI、IoTといった先端テクノロジーを用いた様々なITシステムを開発してまいりました。

先端テクノロジーを用いた業務効率化をお考えの方は、ぜひお問い合わせください。

※5:ITシステム全体として「要件定義→設計→実装→テスト」というプロセスを経て開発を進める手法
※6:細分化した機能(スプリント)単位で「要件定義→設計→実装→テスト」というプロセスを経て開発を進める手法

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