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IoTとAIはなぜセットで使われるのか

入門
2019-11-04
IoTとAIはなぜセットで使われるのか

IoTと並んで近年よく見かけるワード「AI」。IoT製品の紹介の際には「IoT機器で取得したデータはAIを使うことによって~」などと並んで用語が使われることが多いですが、実際IoTとAIの関係というのはどのようなものなのでしょうか。

IoTとAIの定義

IoTとAIはなぜセットで使われるのか

まずは、IoTとAIそれぞれの言葉の定義についてです。

・IoT
「Internet of Things」。モノのインターネット。
身の周りにある様々なモノがインターネットで繋がること。

・AI
「Artificial Intelligence」。人工的な知能。
人間の脳で行われている知的な行動をコンピュータが模倣して行う技術のこと。

簡単に言い表すと上記のようになりますが、IoTに関してもAIに関しても明確な定義は存在していません。というのも、どちらも抽象的な概念として世の中に登場し広まってきたため、有識者や研究者の間でも定義や解釈に相違がみられるからです。

IoTとAIとビッグデータ

IoTとAIはなぜセットで使われるのか

先ほどの定義を見ればIoTとAIが別物であることはすぐに理解できるでしょう。それではなぜ、しばしばこの二つは同時に語られるのでしょうか?

その背景の一つに、共通のキーワード「ビッグデータ」の存在があります。
ビッグデータは、文字通りとらえれば「膨大な量のデータ」のことですが、それだけではありません。

  • データの量(Volume)
  • データの種類(Variety)
  • データの発生頻度・更新頻度(Velocity)

これら3つのVがビッグデータを構成する重要な要素となっています。

続いて、AIが取り扱うデータについて説明します。コンピュータで取り扱っていえるデータには「構造化データ」と「非構造化データ」があります。

構造化データはコンピュータが処理できるように作られた形の決まっているデータです。行と列の概念がある表形式のデータのことで、例えばExcelのデータやCSVデータなどです。
対して、非構造化データは人間が読むために作られた形の決まっていないデータです。例えば新聞や雑誌の活字データやSNSの投稿から得ることのできる画像や動画、音声などのことで、ビッグデータの80%以上が非構造化データであると言われています。

非構造化データはコンピュータでは処理できないことから、これまでAIを活用するデータは構造化データが中心でした。しかし、近年ディープラーニング(深層学習)の発展と共に画像認識や音声認識の技術も向上したことで、非構造化データもコンピュータで分析することが可能になってきているのです。

このようにAIは構造化データと非構造化データをビッグデータとして活用しています。近年ではIoT技術の発達により、新たにIoTデバイスが収集するモノに付随するデータも取り扱うようになりました。このデータはIoTデータと呼ばれ、リアルタイムでモノから直接データを取得しているため、これまで扱っていたデータよりも3つのV(量、種類、発生頻度・更新頻度)が非常に優れておりAIによる分析を最大限に活かすことができるのです。

IoTとAIの掛け合わせでできること

IoTとAIはなぜセットで使われるのか

ここまででIoTとAIの違い、それぞれの役割がはっきりしてきました。「IoTはデータを集める役割、AIは集められたデータを分析し活用する役割を担っている」という関係にあります。それでは、IoTとAIを掛け合わせると何が実現できるのでしょうか。

ここでは、IoTとAIを活用した事例について説明していきます。

まずは、総務省の資料「実装の進むAI・IoT」をもとにIoT・AIを活用したサービスを活用技術、技能レベル、データの収集空間の3つの視点から見ていきます。

1.活用技術

機械学習、画像認識、音声認識、自然言語処理それぞれの技術を活用したサービスが多数登場しています。例えば、音声認識はスマートスピーカーなどを介した単語の検索や音楽の再生などのコントロール、画像認識は不良品の検出などに使われています。

2.技能レベル

一定以上の技能レベルが必要な用途においてもIoTとAIは広く活用され始めています。
例えば、農作物の生育状況管理や設備の稼働状況管理などはこれまで専門家の知識や経験に頼っていましたが、IoTとAIの活用によってシステムで適切に判断できるようになりました。

3.データの収集(サイバー、リアル)空間

IoTの発達によってリアル空間で様々なデータを収集することが可能になりました。車のGPSデータを利用して道路の混雑状況を予想したり、ウェアラブルデバイスで心拍や血糖値を観測することで健康管理に活用されたりしています。

IoTとAIの企業による活用事例

IoTとAIはなぜセットで使われるのか

東芝

東芝ではIoTとAIを活用した様々な取り組みをしています。

例えば、自社の施設内に約35,000個のセンサーを設置し、データを蓄積・活用しビル内の省エネと快適化に役立てています。画像センサーで人の動きや人数を検知し、その結果に応じてエレベーターの優先割り付けを行ったり、空調や照明を調整したりしています。その結果、CO2の削減、空調と照明の省エネルギー化、エレベーターの待ち時間削減に成功しました。

他にも、商業施設内のトイレの個室のドアやトイレ前通路のマットにセンサーを設置することにより個室の利用状況とトイレ前通路の混雑状況を取得し、リアルタイムで案内板に表示しました。その結果、施設利用者のトイレを探す手間や待ち時間を削減し、清掃の効率化や防犯対策にも役立ちました。

NTTコミュニケーションズ

NTTコミュニケーションズはIoTとAIを活用した様々なサービスを提供しています。

例えば、人手に頼りきっていたカスタマーサポートセンター業務に同社が開発した「COTOHA Chat & FAQ」を導入します。通話音声をマイクで録音し、リアルタイムでAIが解析することによりボットがよくある質問に対応することができますので、人員削減や24時間365日応答することが可能になります。

ウェアラブルデバイスを活用した「みまもりがじゅ丸」は、工事現場や倉庫で作業する従業員にリストバンド型のバイタルセンサーを装着してもらい、脈拍数や現在位置をリアルタイムに把握することにより各作業員の健康状況を把握し、適切な休憩をとらせるなどの対応を素早く行うことができるIoTソリューションです。

IoTとAI活用の際の注意点

このように、様々な分野、現場でIoTとAIを活用したソリューション
が導入されています。今まで見えていなかった部分が見えるようになり便利になる一方で、注意しなければならない点もあります。

例えば、ビッグデータの機械的な解析によって全くの偶然による相関関係が導き出されることもあります。「『原因と結果』の経済学」(※)に、「ニコラス・ケイジが映画に出るとプールで人が死ぬ」という事例が紹介されています。1年間にプールで溺死する人の数と、ニコラス・ケイジの映画がリリースされる数に高い相関性が認められているのですが、実際には因果関係はありません。人間が考えればすぐにわかることですが、人工知能にはその判断ができないのです。

まだまだ発展途上なAIによる分析の精度を高めるためには、量だけではなく質のよいデータを収集し、収集後の分析も緻密に行わなければなりません。IoTによるデータ収集の際には、どのような目的でデータ収集する必要があるのかを明確にしなくてはなりません。

※「『原因と結果』の経済学―データから真実を見抜く思考法」(中室牧子・津川友介、ダイヤモンド社)

IoTとAIを活用するためには?

目的を達成するためにどのようにIoTとAIを活用すればよいかわからない、IoTで収集したデータの分析・活用方法がわからない…

コアコンセプト・テクノロジーが提供している「Orizuru」は製造業向けIoT/AIソリューションです。各設備機器から取得したIoTデータをAIで解析し、異常検知などに役立てることが可能です。IoTとAIの導入・活用をご検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

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