ARTICLE

AIによって代替される仕事/されない仕事

入門
2019-11-05
AI仕事画像1

身近な製品・サービスでも活用され始めたAI。しかし、雇用の観点から、「AIが人間の仕事を奪うのではないか?」という懸念が広まりつつあります。

そこで、本コラムでは具体的にどういった仕事がAIに代替される可能性があるのか、今後AIが普及することで労働環境がどのように変化していくのかといったことを解説していきます。

近い将来、約半数の仕事はAIやロボットなどに代替されるかもしれない

2019年時点でも、すでに「データ分析」「ヘルプデスク対応」といった仕事がAIによって代替され始めています。そして、野村総合研究所社が英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授、カール・ベネディクト・フレイ博士と行った共同研究では、今後より多くの仕事がAIによって代替される可能性があることが示唆されています。同研究では国内601種類の職業について、それぞれAIやロボットなどで代替される確率を試算。その結果、2025〜2035年ごろには日本の労働人口の約49%(※1)が就いている職業がAIやロボットなどで代替可能になるという推計結果が得られたとしています。

一方で、同研究に関するニュースリリース(※2)にも記載されている通り、この値はあくまでもAIやロボットなどによる技術的な代替可能性であり、社会環境要因は考慮されていません。そのため、実際には労働需給の変化や実用化に向けた研究の進捗度合、AIによる自動化に対する人々の受容状況といった社会環境要因によってその値が変動する可能性があります。

では、実際にどのような仕事がAIに代替される可能性が高いのでしょうか?

※1:従事する1人の業務すべてを高い確率(66%以上)でコンピューターが代わりに遂行できる(技術的にAIやロボットなどで代替できる)職種に就業している人数を推計し、それが就業者数全体に占める割合を算出

※2:野村総合研究所が公表した同研究に関するニュースリリース
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf

どのような仕事がAIによって代替される?

AIに代替される可能性の高い仕事

前述した共同研究に先んじて、2013年にマイケル・オズボーン准教授は「雇用の未来(The Future of Employment)」という論文を発表して「AIに代替される可能性の高い職業と、そうでない職業」について言及しています。具体的には、米国国内の702種類の仕事について「将来AIに代替される可能性」を算出しました。

そして、ランキング上位に位置する(=AIに代替される可能性が高い)仕事として次のようなものを挙げています。

1 テレマーケター(コールセンター)
2 不動産の調査員
3 裁縫師
4 数学者
5 保険事務員
6 時計修理工
7 貨物運送者
8 税務申告書類作成者
9 写真処理技術者
10 口座開設担当者

AI仕事画像1

このように、比較的マニュアル化が容易であり特殊な知識やノウハウが不要な仕事ほど上位にランクされています。ただし、公認会計士や司法書士のように一見すると特殊な知識やノウハウが必要な仕事であっても、数値化可能で体系的な処理が求められる場合には「AIに代替される可能性が高い」としています。

AIに代替される可能性の低い仕事

一方で、次のような特徴のある仕事はAIに代替される可能性が低いとしています。

特徴1:創造的思考

抽象的な概念を整理・創出したり、文脈を理解して自らの目的意識に沿って方向性や解を導き出したりする仕事。
(例)芸術家、歴史学者、宗教学者など

特徴2:ソーシャル・インテリジェンス

理解・説得・交渉といった高度なコミュニケーションによって、自分と異なる他者と協力しながら何かをする仕事。
(例)裁判官、弁護士、教職員など

特徴3:非定型

役割が体系化されていない環境で、マニュアルに頼らずに自ら状況に応じた判断を行わなければならない仕事。
(例)医師、航空機操縦士など

AI仕事画像2

そして、この3つの特徴を満たしていることから、同論文では最もAIに代替される可能性が低い仕事として「レクリエーショナル・セラピスト」を挙げています。「レクリエーショナル・セラピスト」は、アートやスポーツなどを駆使して患者のストレスを軽減していく仕事です。

生産性を追求する仕事をAIが担い、創造性を追求する仕事を人間が担う

前項を踏まえると、近い将来訪れるであろうAIと人間が共生する労働環境が見えてきます。

前述した通り、AIは「マニュアル化が容易で特殊な知識やノウハウが不要な仕事」を代替することを得意としています。冒頭で取り上げた「データ入力」「ヘルプデスク対応」をはじめとするいわゆるルーティンワークはその代表的な仕事と言えます。このような仕事を担って生産性を追求することがAIの大きな役割になるでしょう。

一方で、「創造的思考」「ソーシャル・インテリジェンス」「非定型」といった特徴のある仕事はAIで代替される可能性が低いと述べました。新たなビジネスを考えたり、目標達成に向けた経営戦略を考えたりといった仕事はその代表例と言えます。言い換えれば、このような創造性を求められる仕事についてはAI導入後の労働環境においても人間が担う必要があるということです。

AI仕事画像3

「生産性が求められる仕事をAIが担い、創造性が求められる仕事を人間が担う」

近い将来、このような形でAIと人間が共生することで生産性向上と創造性向上を両立することが当たり前の労働環境となっていくでしょう。そして、これは今日の労働環境を踏まえると大きな変化であると言えます。なぜなら、今日の労働環境において生産性と創造性はトレードオフの関係にあると言えるからです。

生産性向上を目指す場合には、文化的な背景やスキル、価値観などが均質な人材で組織を組成してコミュニケーションコストを下げる必要があります。しかしながら、その結果人材の多様性がなくなり創造性が失われてしまいます。逆に、創造性向上を目指す場合には、文化的な背景やスキル、価値観などが異なる多様な人材で組織を組成する必要があります。ただし、人材間でのコミュニケーションコストが上昇して生産性は低下してしまいます。

一方で、前述したように生産性を求められる仕事をAIが担い、創造性を求められる仕事を人間が担えば、これまでトレードオフの関係にあった生産性と創造性をいずれも向上させることができる可能性が生まれるのです。

AIとの“共生”でビジネスチャンスを掴み取る

最後にご紹介したように、AIと人間が共生することによって生産性向上と創造性向上を両立できる可能性があります。

一方で、AIは今なお発展途上の技術であり、ノウハウや人材も限られています。そのため、「AIを活用したいが、何から始めれば良いのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?

そのような方は、ぜひコアコンセプト・テクノロジーにご相談ください。

コアコンセプト・テクノロジーでは、創業以来、AIを活用した自社プロダクトの開発やお客様のシステム開発、新規ビジネスの創出などをご支援してきました。AIの活用をご検討中の方は、ぜひこちらよりお問い合わせください。

pagetop